SSブログ

カフェ・ロトンダ9 [アトリエから]


8から長いインターバルでしたが、相変わらずゆっくりした進行。そろそろスピードアップしたいところですが。
 船の名は“Il Conte di Savoia”=サヴォイア伯号。実在した豪華客船です(1932-1943)。この船を何度か想像で描いてきたのですが↓
http://www005.upp.so-net.ne.jp/Firenze/viaggio.html
http://www005.upp.so-net.ne.jp/Firenze/citta.html
http://www005.upp.so-net.ne.jp/Firenze/citta0.html
今回初めて古本とwebサイトで現実のサヴォイア伯号を見て、ちょっとショックでした。太く後傾した2本の煙突、緩やかな曲面をえがく船首など、意外にモダンな船型。もっと優雅でクラシカルな形をイメージしていたので。
 でもしばらく眺めていると子供の頃、夢に描いた客船そのままの形であることに気づいて嬉しくなりました。
 で、デフォルメは最小限にして描き初めます。ただ煙突をそのままの角度で後傾させて描くと少しよそよそしい印象なので、中ほどをほんのわずかだけ屈折させています。と言っても描いた本人以外気づかないかも知れませんが。
 相変わらず画面左側が重いので、坂道の向こうに広場をつくり、地面と空の境界線をのぞかせることにします。
 建物は、まだ明暗の組み立てをしている段階。白がこのまま残る訳ではなく、全体に黄褐色系になる予定。


 例によって、この風景に合体させる予定の3人の人物の絵と画面上で合成して構図をチェック。
 黄色い線はバランス確認のための合成画面上の補助線。対角線と3等分線。
 例えば画面左上部の明部の分量と、その対角の人物の明部のバランスを確認します。
 左下のちびすけの表情、もう少し何とかしたいところ。女性の上半身のポーズも未決定。
 完成予定は3月初め。それまでのんびり描き続けるつもりです。
 


nice!(2)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 2

コメント 3

yk2

随分と“8”から印象が変わりましたね。時間や季節の全く違う、連作の別の絵を観てるみたいです。

洋一さんの「カフェ・ロトンダ」の変化に、一昨年上野の国立西洋美術館で観たマティス展に於ける、「プロセス」の展示を思い出しました。作品のすぐ横に、変化して行く過程が写真に記録され時系列で並べられていたのです。マティスって、悩んで悩んで、それでも決めきれなくてまた同じテーマで一から書き直したりしてたんだな、って思うとなんだかちょっと可笑しくて。僕もそんなトコが有るのでちょっぴり親近感覚えたりして(苦笑)。

この絵はどんなふうなプロセスを経て出来上がってゆくんでしょうね。3月の完成予定、楽しみにしてます。
by yk2 (2006-01-28 02:10) 

plot

 yk2さん、ありがとう。マティスの制作過程はとてもスリリングですね。
 僕の場合は大マティスとは比較できないし、制作中の半端な状態を公開するのは恥ずかしくもあります。「他人の目を意識することになるから真摯な制作態度とは相いれない」という考えもあるかも知れません。でも鑑賞者がいなければ絵画は成立しないと思うし、鑑賞者を意識しない(実際は囲い込まれたディレッタントを意識している)「純粋芸術」は、あらかじめ逃げ道を用意している姿勢が透けて見えるようでなじめません。
 絵画も、小説や音楽や映画と同じく、エンターテインメントが基本だと思います。観ることの喜びを与えられなければ意味がありません。そのためにブリューゲルもラファエッロもフェルメールも技術や方法論を磨いたのではないでしょうか?ちょっと話が大きくなってしまいましたね。
 yk2さんの「真珠の耳飾りの少女」、映画はまだ観ていないのですが原作本を先に読むようなつもりで楽しませてもらってます。
by plot (2006-01-28 03:41) 

匁

福井洋一さん
いつも勉強させてもらっています。
なかなか絵画の制作過程は見れないもので、その上コメントまで
添えていただいてありがとうございます。
yk2さんの話のマチス展は私も観たのですが製作過程は全く印象に残っていません。すみません!ダンスダンスダンスのみを気にしていました。
この次何か展覧会があればその辺も注目したいと思います。
次回を楽しみにしています。
by (2006-01-28 08:45) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

サリエラ発見!カフェ・ロトンダ10 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。