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リコッタ・ペコリーナ [Vino e …?]


ART La Mostra Internazionale dell'Artigianatoという見本市に行ってきました。
http://www.mostraartigianato.it/home.html
会場はフィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソという要塞を利用した見本市会場(ピッティ・ウオーモのメイン会場もここ)です。

近くで見ると結構な迫力です。

「アルティジャナート」は職人階級、工芸品。その名の通り手工芸品がメインです。そちらは正直、あまり面白くなかったのですが、同時併催の食品物産展は大充実!収穫がたくさんありました。


例えばこのブース。南イタリア、カンパーニア州サレルノからやって来た水牛のモッツァレラがメインのチーズ屋さん。
見慣れないチーズを見つけました。

 家に帰って早速試食。

リコッタ・ペコリーナRicotta Pecorina
 つまり羊乳のリコッタチーズというわけですが、赤いのはペペロンチーニ(唐辛子)。 

ナイフを入れて、予想を裏切る堅さに先ずびっくり。リコッタは、普通はチーズを作る時に出る乳精(ホエー)を再加熱して作りますが、羊乳から直接作るCaccio Ricottaと呼ばれるタイプもあるそうです。堅さから見てそれである可能性も大。
 次に強烈な辛さに思わずたじろぐ。食感はカラスミのよう。予備知識無く食べたら乳製品であることも分からないかも知れません。
 二口目からはさほど辛くなく、場所により辛さのバラつきがある事が判明。ちょっと安心。日本へのお土産に大量に買ってしまったので…。ワインのお供には最高です。今日は赤でしたが白やスプマンテにも合いそうです。

 ワインは例によって量り売りですが…。
Villa le Corti
Principe Corsini
コルシーニ侯爵家の1427年から続くヴィッラ・レ・コルティの名を冠したワイン。本来はキアンティ・クラシコDOCG。サンジョヴェーゼにカナイオーロとコロリーノを加えています。後者の葡萄品種コロリーノcolorinoは初見。名前からして発色が良さそうですが…。フレンチ・オークの大樽熟成、リゼルヴァはバリック熟成というキアンティの新しい方向性を志向するファットリアの一つです。
 2003年ですが、もっと古いワインのような心地よい重さと深み、しっかりしたタンニン。広がりのある香りも魅力的。ゆったりした風格の良質なキアンティです。

 写真のように少し空気を含ませると、このワイン本来の豊かな世界が拡がります。
 「量り売り」はいわばワインのアウトレットというところでしょうか。ひいきのヴィア・ロマーナのお店「La buca del vino」以外にも、フィレンツェ市内や近郊で同様のお店が相次いでオープンしています。知っているだけで4店、実際はその何倍もありそうです。単純にトレンドなのか、それとも酒類販売店法(?)みたいなものが改正されたとか?理由が分かったら続報したいと思います。美味しいワインが破格の値段で手に入るのは嬉しい限りですが、ラベル付きの正規のワインの販売に影響はないのでしょうか?顧客層の違いで上手く棲み分けられるのか、生産調整とかよりはワイン農家にとっては良い事なのか、最近少し気になっています。
 《追記》
リコッタ・ペコリーナについて「羊乳から直接作るタイプの可能性も大」と書いてしまいましたが、パッケージの原材料表記に〈低温殺菌の羊乳の乳精〉とありましたので、やはり普通の乳精からのリコッタの熟成タイプで間違いないようです。


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匁

福井洋一さん
古い要塞で新製品の見本市ですか?珍しいことばかりですね?!
by (2006-05-01 06:04) 

cuvee-juliez

コロリーノ、果肉まで赤い葡萄で、キャンティの色付けに深みを与える伝統的な古い品種で、最近は減少しつつあるとイタリアの伊達男から聞きました。
確か、乾燥させてからブレンドさせるとか・・。
量り売り、増えているのですね。
一時期、イタリアワインの高騰でワインの在庫過多が深刻な問題になり、入手困難と謳われる様な高級ワイン(バローロ、バルバレスコ、一部のスーパートスカン)さえ、倉庫に山積みで頭を抱えていると云われた事があります。
輸出に伸び悩み国内での需要の減少を克服する一つの方向性なんでしょうか?
あー、やっぱりイタリアの現状も気になりますね。
リコッタ・ペコリーノもとても気になります♪
by cuvee-juliez (2006-05-01 14:53) 

plot

tigerkitaさん、clos-du-meixさん、コメントとnice!ありがとうございました。

tigerkitaさん、貴重な遺跡ですからもったいない気もしますが、便利な場所で、広いスペースなので活用されているのでしょう。イタリアの古い都市は遺跡の上に築かれているようなものなので、転用も慣れたものという感じです。

clos-du-meixさん、コロリーノのこと教えて頂いてありがとうございました。
まさか着色料でもないだろうし?とか悩んでいました。
イタリアワイン界も、アメリカやドイツ資本の大波もふくめて転換期なのかも知れません。リコッタ・ペコリーナ、昨日もつまみましたが病みつきになりそうです。
by plot (2006-05-01 19:52) 

yk2

こんばんは。
洋一先生、質問です(^^。
ペコリーナって、ペコリーノとはなんか関係有るんでしょうか?。

カラスミみたいな食感って、歯にねっとりくっつくような感じなのかなぁ。おおよそ、日本で見掛けるリコッタとは何だかかけ離れたイメージですね。食べてみたい・・・。
by yk2 (2006-05-02 00:25) 

plot

yk2さん、ではイタリア語の時間です。羊がペーコラpecoraで、その形容詞がペコリーノpecorino。羊肉ならcarne pecorinaと女性形語尾に変化。
同じpecorinoが名詞で〈羊乳のチーズ〉の意味。チーズはcacioかformaggioなので男性語尾pecorinoの形ですが、ricotta(2度炊き、再加熱の意味)は女性形なのでpecorinaを使うというわけです。
カラスミ、うーん…ねっとりではないですね。
目をつぶって食べると軽く焙った辛子明太子かな。今、メイコは夕飯の調理中、そのリコッタ・ペコリーナを乱切りにして、カルチョーフィのリングイネに和えるようです。
by plot (2006-05-02 04:22) 

plotさん

こんばんは^^
食べ物のことばかりにコメントを残しているので・・・なんですが、
上のyk2さんの記事とそれに関するコメントを読んで。
あぁ、ここ(イタリア)でも男性形、女性形かぁ~
・・・とため息です。
・・・イヤ、知ってるんですけどね、
テレビでイタリア語講座見ていた時期もあるので・・・
それにしても、先が思いやられます^^;
フラ語がんばろうっと・・・。
by (2006-05-10 23:19) 

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