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エルバ島のリストランテ その2 [トスカーナの小さな街]

その1で書き忘れた肝心なポイント、
レストラン「バーニ・パオラ」は、お値段もとても良心的でした。
「海の家」風の構えのお店ですが料理もちゃんとしていてお勧めです。

そして、予告した「とんでもない展開」はまだ先のお話。

ちょっと薄曇りのビーチで、けだるい午後のひとときを過ごした後は、お待ちかねのディナーです。

素敵な中世の街並みの残るマルチアーナ・アルタMarciana Altaの町。

いろいろ書き忘れていますがエルバ島を車で一周すると2時間半。
カーブの連続で楽しい(楽しすぎる?)ドライブコースです。
伊豆大島が一周1時間ですからその二回りくらい大きな島。


webで拾ったエルバ島の地図です。北は画面の2時の方角。
文字がつぶれていて読みづらいですが、
フェリーは右上、北東の入り江にあるポルトフェッライオPortferraio港に到着します。
マルチアーナ・アルタの町は左上の山の中腹(-Marcianaの記載)。
その1で紹介した海岸のレストランのあるプロッキオは、地図上には地名がありませんが、ポルトフェッライオの入り江から北側の海岸沿いを西に向って次の大きな入り江の中ほど(-Marciana Marinaの文字の真下)です。

振り返るとマルチアーナ・マリーナMarciana Marinaの入り江。

この門をくぐって

階段を登って行くと

こんな教会があったり

またいちだんと高くなりました。

ようやく目指すレストランに到着。
けっして便利な場所ではありませんが早い時間から賑わっています。
「オステリア・デル・ノーチェ」。
ジェノヴァ料理がベース。スローフード協会も認定のお店です。

Osteria del Noce
Via Della Madonna,19 - 57030 Marciana (LI)
Tel. 0565/901284
http://www.osteriadelnoce.it/

予約したテーブルに着くと、先ずは本日のお魚の紹介です。
真剣に品定めをしているのはTaro君のお父さんのアウグスト。
フィレンツェの語学と文化の学校チェントロ・フィオレンツァCENTRO FIORENZAの校長先生。
20年以上前から、エルバ島で夏季講座を開いているので、エルバ島は自分の庭のように詳しいのです。
チェントロ・フィオレンツァに興味のある方は、このblogのサイドバーのCENTRO FIORENZAをクリックしてください。

見慣れないお魚もありますがどれも鮮度は良さそうです。

アンティパスト(前菜)。

これは トンノ・アフミカート(マグロの薫製)ジェノヴァ風です。


タコの前菜。インゲン豆とズッキーニとニンジンも入ります。



白身魚と紫玉葱の前菜、ファッロ(スペルト小麦)が珍しい。



アサリとトマトのワイン蒸しブルスケッタ入り。右奥はムール貝のお皿。



各種の前菜を取り分けた私のお皿。
右上はペシェ・スパーダ・アフミカート(カジキの薫製)、メロン添え。


前菜がたっぷりだったのでプリモ(第1の皿)はとばしてここからセコンド(第2の皿)=メイン料理です。

これはカサゴの一種? 料理はアクアパッツァかな?

スズキのグリリア。身を開いた後の写真です。

これは私が頂いたこちらもカサゴの一種のトマトソース。香辛料セーミ・ディ・フィノッキオ(=フェンネル・シード)が印象的な一品でした。

大きな白身魚(スズキ?)にアサリとムール貝ものった豪華なお皿。

テーブルの下は彼女達の指定席。
骨でも頭でも尻尾でも何でも完璧に片づけます。

ドルチ(デザート)にも手抜きはありません。

パンナコッタ。

トルタ・ディ・チョコラート。

というわけでみんな満足!

ミュンヘンから毎年やって来るウリとインゲのカップル。
彼らにとってもエルバは自分のシマ。

アウグストとblog初登場Taro君のマンマ、カズミさん。

シェフにインタヴュー。
彼女の料理はどれも絶妙のバランス。
素晴らしいセンスと繊細な気配りが行き届いていました。

というわけで初めてのエルバの夜を堪能していたのですが、

ここで飛び込んできた信じられないニュース。

翌朝からFS(イタリア国鉄)などの抜き打ち交通ゼネスト!
抜き打ちなので予告もなく皆、寝耳に水。しかも48時間!

なんで?!…と叫んでもしかたないけど。

イタリアの労働組合は筋金入りです。
西欧一の力と権威を誇っていた、今は左翼民主党と名前を変えた旧イタリア共産党の影響が強く、やると決めたら途中で腰砕けなんてこともありません。左翼民主党のダレーマ氏も外務大臣と副首相を兼任する中道左派のプローディ内閣が発足したタイミングで、勢力を誇示しつつ新内閣の出方を窺うという意図なのか?
…そんなことはともかく、フェリーは平常通りの運航のようですが、対岸のピオンビーノからフィレンツェまでの足がありません。例えると伊豆大島から熱海には行けるけどそこから先の交通手段がないと言う状態。タクシー? レンタカーの乗り捨て? どちらも現実的な金額で収まりそうもないし…。

問題は留守番している日本猫シャコ。
農園を管理しているカルロさんに電話すると、
「まかせとけ!」と頼もしいお言葉。

1泊の予定を変更。
急転、3泊4日のエルバ島ヴァカンスということになりました。

というわけで、その3に続きます

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TaekoLovesParis

緑の多いお庭のレストランという感じでいいですね~。
ジェノバの前菜は、タコに豆、あさりにブリュスケッタ、白身魚にスペルト小麦
というように穀類が混じっているんですね。おなかいっぱいにするため?それとも水分を吸わせておいしく、でしょうか?
さすが地場のお魚料理、おいしそう!かさごのトマトソースにフェンネル、
香りがよさそう。
by TaekoLovesParis (2006-06-26 07:24) 

toraneko-tora

狭い門、狭い道 地中海の島や沿岸都市に共通ですね
やっぱり、外敵からの守りですかね

そんなことはおいといて、どれもこれも美味そうです
オコボレ待ってるニャンコの顔もいいですね
by toraneko-tora (2006-06-26 08:08) 

狭い道、海鮮料理が特徴ですね。
テーブルの下の猫ちゃんは指定席(爆笑)
いろいろな海鮮料理を食べているんでしょうね。
by (2006-06-26 08:27) 

STELLA

小さな道を行くときれいな色の教会に辿りついたりするところが、イタリア~って感じですね。ステキ☆
おいしそうな魚介類。
タコ食べたいな~。
皆さんがにっこり満足っていうのもわかります。
抜き打ちスト大変。急に予定を変更しなくちゃならないなんて。
ねこちゃんのことよかったですね。カルロさんがいてくださって。
by STELLA (2006-06-26 09:26) 

poppychan-page1

よだれが出ます~(汚いですね・・・スイマセン)
待ってる、ねこちゃんも可愛いです。(目の色がきれい)
教会も可愛らしい色ですね~行きたいです。
by poppychan-page1 (2006-06-26 13:06) 

海のそばのリストランテなんて、いいですねぇ~^^
おいしい食材がいっぱいで、目移りしちゃいそう。
目のブルーのかわいい猫ちゃんが来ちゃうのもうなづけます。
思いがけない一泊追加の旅、私も楽しんでます♪
by (2006-06-26 16:19) 

匁

福井洋一さん
こんにちは
スズキもカサゴも美味しそうですね。もうたまりません。それに海の見える景色も抜群で建物も中世風で一泊が3泊になって楽しみ増えたんじゃーないですか?!
by (2006-06-26 17:48) 

SOLE

こんにちは♬
魚貝料理三昧~♬どれもこれもおいしそうですねぇ、ヘ(゚▽、゚*)ノ ジュル♪
ファッロが入った前菜を味見してみたいなぁ・・・
ネコちゃんの青いというか、エメラルド色というか不思議な目に
惹きつけられました!
by SOLE (2006-06-26 19:10) 

Bijoux

新鮮な魚介類がたーっぷりっすね^^
で、シャコちゃん大丈夫でしたか?(笑)
by Bijoux (2006-06-26 20:00) 

柴犬陸

エキゾチックな景色にお似合いのシーフード。
ボリュームもすごい!
とんでもない展開とは、交通ゼネストのことですね?
旅行を十分楽しまれたのでしょうか?
やはり、次の展開が楽しみです。
by 柴犬陸 (2006-06-27 00:46) 

すべてがおいしそうですね!
是非ともエルバ島にも行ってみたくなりました。
しかし、地中海には行かねばならない島が多すぎて困ります。。
by (2006-06-27 02:12) 

あーろん

薫製と聞いただけでヨダレが止まらない!
マグロやカジキの薫製は食べたことがないので
食べてみたくて仕方がありません。
アンティパストとドルチだけでも、たぶん大満足♪
by あーろん (2006-06-27 11:11) 

まゆみっふぃ

魚介類のオンパレードですね。どれもこれもホントに美味しそう。
それにしてもすごいボリュームですね。
ドルチェも美味しそう。
やっぱりイタリアはいいなぁ。
by まゆみっふぃ (2006-06-27 16:02) 

鈴木浩司

本日昼食抜きだったので、見なければ良かったと公開しています(^^)
それにしても、plotさんのオランダ、ポルトガルの捉え方が当てはまる両国ですよね。最後まで11人対11人のゲームが目れな勝ったのが残念でした。
おなか空いた~
by 鈴木浩司 (2006-06-27 17:34) 

いっぷく

エルバ島は地図で確かめたけれど
やはり想像を越える広さでした。
景色もいいし「オステリア・デル・ノーチェ」の食事もすばらしい。
写真でもおいしさ伝わります。
こんな島なら、一泊ではもったいないですね、きっと空気もいいだろうし、
イタリアのエルバ島大いに気に入りました。
by いっぷく (2006-06-27 20:39) 

mikachan

そうでしたか、、、。FSのショーペロだったんですね。48時間は凄い!こちらでも先週20日にやってましたよ。(予告ありでした)それにしても抜き打ちはひどいですね~!!!(怒)まったくいつになってもイタリアという国は!!!
沢山の料理が堪能できて羨ましいです。うちはいつも二人なのでこんな沢山の種類は食べられません。猫ちゃんも可愛いし、エルバ島がこんなに大きいのも知らなかったし、これは行きたくなりました!
by mikachan (2006-06-28 03:25) 

yk2

洋一さん、メイコさん、こんばんは。やっぱり一筋縄では行かないイタリア交通事情。期待は裏切らなかったですね(笑)。

ずっとお二人のblogを読ませて頂いてますが、食べ物に関する詳しいお話はメイコさんだったんですね。最近はほとんど全て洋一さんが書かれているんだと思ってました。taekoさんは「おだし」でピンと来たみたいだけど、実際にお会いした洋一さんは品が良くって優しそうなので「おだし」くらい云ったって、僕にはなーんにも不思議じゃなかったんですけど(笑)。

カサゴの1種?と書かれている魚、ホウボウに似ていますね。
イタリアはやっぱり尾頭付きの魚の目は取って供されるものなのかな?。日本人の感覚だとくり抜いてあった方がなんだかグロテスク・・・(^^;。
by yk2 (2006-06-28 23:35) 

ツカ

わっちゃ~、ストの被害にあったんですね~!><
スゴイ労組だ。
料理おいしそー!ジェノバの味付け大好きです♪
by ツカ (2006-07-01 03:22) 

ぱふ

はじめまして。W杯のイタリア・ブログから迷い込んできました。
エルバ島、1泊だけだけど、すてきな夏の週末を過ごしたことがあります。
まずフィレンツェ駅で切符を買う列が長すぎ、朝イチの電車に乗り遅れたこと、
バス乗り場の近くで、生涯最高においしいアサリのパスタを食べたこと、
くねくねの狭い山道を結構なスピードで走るバスに、イタリア人観光客と
共に悲鳴をあげながら耐えたこと、
帰りのフェリーに(またもや)遅れそうになり、あわてて駆け出した友達が
バッタリとこけ、その悲惨な姿に船長さんが出港を遅らせてくれたこと。。。
ホントに楽しかった~~

これからも、寄らせていただきますね。楽しみです★
by ぱふ (2006-07-02 03:14) 

plot

TaekoLovesParisさん、toraneko-toraさん、nekoさん、STELLAさん、流風さん、あやっぴぃさん、tigerkitaさん、SOLEさん、Bijouxさん、柴犬陸さん、Minovskyさん、あーろんさん、まゆみっふぃさん、鈴木浩司さん、いっぷくさん、panda_pandaさん、ミカチさん、ゆゆききさん、yk2さん、manzoさん、ツカさん、パフさん、tonpooさん、コメントやnice!ありがとうございました。

TaekoLovesParisさん、
確かに穀物が重要な役目をしているようです。魚介に豆類、穀類を加えるのはイタリアではかなり、一般的な習慣としてあるようです。もちろんボリュームを増やす意味もあるでしょうね。イタリアでは一般に魚介料理は肉料理よりもご馳走ですから。アサリに入っているブルスケッタは美味しいスープを食べやすくするためでしょうね。

toraneko-toraさん、
エルバ島もとても複雑な歴史を持った島で、防衛都市という側面は確かにありそうですね。島と猫はつきものですね。船乗りの守り神ということか猫に優しい伝統は生きていますね。

nekoさん、
道の狭さは人間的なスケールと言う事かも知れません。東京でも谷中あたりの、狭い路地には
猫がたくさんいますね。

STELLAさん、
イタリアにもつまらないところ、気が滅入る街、きっといっぱいある筈ですが、まだ幸い出会っていません。異邦人という気楽な立場だからなのかも知れませんが…。
タコ美味しかったです。
カルロさんがいつもいろいろ助けてくれるので何とかやってる感じです。

流風さん、
エルバ島、どこに滞在しても一応満足出来ると思いますが、観光客が多い場所もあれば、この可愛い教会がある丘の上の街のようにレアというかディープなスポットもあります。レンタカーが便利ですが体力に自信があればレンタル自転車も楽しそうでした。

あやっぴぃさん、
追加は2泊でした。テーブルの下でフラッシュ光らせるのも気が引けたので、写真に写ったのは1匹だけですが、実際は猫達はもっとたくさんいてレストランのの名物(?)の一つのようでした。

tigerkitaさん、
そのとおり。結果オーライの小旅行でした。おかげで真っ黒く日焼してしまいましたが。

SOLEさん、
ファッロはイタリアでも最近見直されている食材のようです。本来は庶民の食べ物だったのが高級レストランのメニューにも見られるようになりました。日本の五穀米のケースと似ている?
猫達もプロフェッショナルというかテーブルからテーブルへとタイミング良く渡り歩いていました。

Bijouxさん、
シャコは見慣れないちょっとワイルドなカルロさんのサービスが新鮮だったのか、いつになく食欲旺盛だったようです。

柴犬陸さん、
結果はやっぱり楽しんでしまいました。この後は素敵なレストランをもう1軒、ご紹介しますね。

Minovskyさん、
「地中海には行かねばならない島が多すぎて困る」ってまったく同感です。で、行き難い島も多いですしね。たっぷり時間があって1年中島巡りという人生が理想です。

あーろんさん、
その2つの薫製。非常に美味しかったです。マグロ(=トンノ・アフミカート)の方は「ブレザオラという牛の生ハムに似た食感」と思ったら「ブレザオラ ・ディ・ トンノ」(トンノ=マグロ)という別名もあるようです。カジキ(ペシェ・スパーダ)のほうはラルド(=ラード;豚の脂身)の生ハムに近いかな?少人数のときは「アンティパストとドルチ」という選択も良いですね。

まゆみっふぃさん、
ご帰国、間近なんですね。不思議の国モナコの貴重な情報、ありがとう!
イタリアにも是非遊びに来てください。

鈴木浩司さん、
タイミング悪くてごめんなさい。でもお腹いっぱいの時に見るのも辛いかも?
ところでワールドカップ、本命の2国が準々決勝で姿を消す展開。ヨーロッパだけのベスト4というのも不思議な感じですね。とりあえずイタリアを応援しますけどドイツ相手は厳しいかも。

いっぷくさん、
本当に良い島でしたよ。とくに今回はベテランと一緒で外れがなかったので印象が良かったのだと思います。我が家の猫がもう少し元気なら一緒に連れて長期滞在も良いかなと思いました。

ミカチさん、
イタリア、鉄道、ストライキ…で思わず古い映画「鉄道員」を思い出してしまいました。もちろん「ぽっぽや」でなくてピエトロ・ジェルミのほうです。今回もそんなドラマがあったかどうかは知りませんが。
うちでも2人でレストランというときは食べたい料理と食べ切れる量のギャップで悩みます。イタリアンと中華は大人数に限る?

yk2さん、
まあ始めから「いつかは着くだろう」位に考えておけば腹も立ちませんが…。
例の魚、確かにホウボウの可能性もありますね。地中海にもいることは確かですし。ただ日本のホウボウに比べるとかなり型は小さかったです。目玉は煮込んでとれてしまったのか?正式にはどうなのか分かりませんが、イタリアでも目玉付きの場合の方が多いように思います。

ツカさん、
まあ何はともあれ元気なのは良いとしましょうか。イタリアの労組よ、世界の労働者の為にせいぜい頑張ってくれたまえってとこです。ジェノヴァ料理というとバジルのペースト・ジェノヴェーゼをつい思い浮かべますが、魚介料理の実力も今回、再認識しました。次回は是非ジェノヴァで本場の料理にチャレンジしてみたいです。

パフさん、
初めまして。エルバ島の楽しい想い出とお友達の悲惨なお話、ありがとう!
「生涯最高においしい」って感じ、良く分かります。
イタリア、今のところ快調ですね。次はホームのドイツ。正念場だけどこうなったら決勝まで進んで欲しいですね。決勝戦の相手はブラジルでその前にアルゼンチンと思ってましたけど…。
by plot (2006-07-02 23:22) 

plot

追加情報です。
本文に「カサゴの一種?」と書いてyk2さんが「ホウボウに似ていますね」とコメントされている魚は、やはりホウボウでした。注文したアウグストが「gallinella」と言っていたのを思い出しました。辞書で確認したところgallinella=ホウボウで間違いないようです。
by plot (2006-07-07 18:26) 

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