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胡桃の木の下で [猫の暮らし]



8月8日午前8時8分前、16年間生活をともにした日本猫シャコが永眠しました。

始まりは16年前の親友のY子さんからの電話でした。
「雨でびしょびしょの今にも死にそうな小猫を拾ったのだけどどうしよう?!?!」
猫を飼った経験の無いY子さんはおろおろうろたえています。
「とにかく獣医さんに連れてって!!」と指示してから数日後「猫、生き返っちゃったよ」との報告。
獣医さんによるとその猫が患っていたひどい鼻炎は一生治る見込みはなく、「長く生きられないかも知れないが可愛がってあげてください」とのことでした。
マンション暮らしのY子さんには飼い続けられないので我が家に引き取りました。

名前はY子さんが名付けた「シャコリーヌ」に決定。
「フランスの姫の名」と言う説明でしたが、後でわかったその実態は「世界的大企業H技研の創業者H.宗一郎邸の《車庫》前で鳴いていた」とのことでした。
でもとにかく日本を代表する〈由緒正しい家の前で発見された〉由緒正しい野良猫と言っておきましょう。

我が家には既に2匹の雄猫がいましたが、新入りの三毛猫(雌)は物おじせず、すぐに持ち前のわんぱく天真爛漫ぶりを発揮。料理教室の生徒さんに「噛みつき猫」として恐れられる存在になりました。

先の見えないジェットコースター人生の飼い主に翻弄されて、彼女の生活も波乱万丈でした。留守番の多い生活にも良く耐えてくれました。

最近は体力の衰えも目立ち食もほそくなってきましたが、イタリアに来てからは、庭の先住猫達の刺激もあって食欲も回復。
ハクビシン(若い雌猫)に出会いがしら、往復猫パンチを浴びせるなど、早速、本領発揮。
日本にいた頃は寝てばかりでしたが積極的に散歩、探検もするようになりました。


椅子の下は初対面で先制パンチを食らったハクビシン。彼女も負けずに天真爛漫。その後は良い猫関係を保ってくれました。


だいぶんお婆ちゃん猫になりました。奥は大きくなったハクビシン。


日向ぼっこ。


ピクニック。


お昼寝。

そして一年が経過する頃ふたたび食欲に陰りが見え、体力も急速に落ち込んできました。
悩みましたが今まで連れ添ってきた猫達の晩年、延命のための治療が彼らの幸せだったのかという反省もあり、シャコの人生は自然に委ねることにしました。

そして今、緑の谷を見おろす丘の上の胡桃の木の下に静かに眠っています。
陽当たりが良く、そよ風が吹き抜けるこの丘、あとでわかったのですが、カルロとアントネッラご夫妻の2匹の猫と1匹の犬、1匹の黒山羊も眠っているとのこと。広い敷地で同じ小さな一画を偶然選んだことになります。
シャコも友達と一緒で良かった。


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コメント 41

tonpoo

悲しいニュースに胸が痛みますが、
16歳という年齢、plotさんご夫妻と巡り合いイタリアの自然の中で
穏やかな晩年を過ごせたことなどを考えると、幸せな生涯だったと思います。
与えられた命を全うし、家族に見守られ旅立って行ったシャコちゃん。
もしかしたら16年前にその命を絶たれていたのかもしれなかったんですものね。
お友達と一緒の丘の上で安らかに眠るシャコちゃんのご冥福をお祈りします。
plotさん、奥様も淋しくなりますね・・・お察しします。
by tonpoo (2006-08-25 03:19) 

plot

tonpooさん、優しいコメントありがとう!
庭に自由猫がたくさんいてくれるお陰で、ずいぶん救われています。いつか日本に帰ることになると思いますが、シャコがここに眠っていてくれるからトスカーナにも帰れる故郷ができた気がします。
by plot (2006-08-25 05:24) 

シャコさんのご冥福をお祈りします。
plot さんたちに出会えて幸福な人生。
そして友達のいるところで眠っている。天使になって天真爛漫に友達と過ごしているでしょう。
by (2006-08-25 06:04) 

さみしいけど、いいお話でした。
うちのは犬でしたけど、いつもそばにいて、何気なく触れられる、暖かくてやわらかい動物がいるだけで、とげとげだったココロが癒されることがありますよね。シャコちゃんにとっても、plotさんと過ごすことで、幸せな日々があったのでしょうね。そしていつも友達がそばにいる、ステキなところで眠っていますね。
by (2006-08-25 06:12) 

plot

Ikesan、nekoさん、あやっぴぃさん、ありがとう!犬や猫の人生(犬生、猫生)は短いけれど、だからこそいろいろなことを教えてくれますね。幸せの意味も。
by plot (2006-08-25 07:05) 

お散歩爺

長く飼っていると情も写って悲しい別れですね。
墓地を選ぶのは誰も同じ考えなんですね。仲間が居てよかったですよ。
北イタリアに行ってみたくなりました。
by お散歩爺 (2006-08-25 08:49) 

nicolas

おはようございます~
先日は、お越しくださいましてありがとうございました。
でも、いきなりお飼いになっていたにゃんこちゃんのお別れのお話でびっくり。。
ウチも飼い犬を目の前で病気で亡くなるのを見ているので、思い出して
しまいました・・・・やっぱり家族同然、別れはツライですね。
にゃんこもいたのですが、どのこもどこかに行ったまま、死んじゃってるのかも。
シャコちゃん、きっとシアワセな16年間だったでしょうね。
くるみの木の丘で、ぐっすり眠っていますね。

ところで、メイコイワモトさんて、あのメイコイワモトさんですか?
超有名なかたじゃないですか?こっちもびっくらこ!(」゜ロ゜)」
イタリアにいらっしゃるんですか?
by nicolas (2006-08-25 08:55) 

chi-ran

安らかに眠れますように、、お祈りしますね。。。
でもお写真から伝わるのは、シャコちゃんがとても愛されてしあわせだった
そんな空気です^-^ きっと先に眠るお友達にも猫パンチをお見舞いしたのち
仲良くしているのでしょねw
by chi-ran (2006-08-25 09:43) 

あーろん

ネコの寿命はよくわかりませんが、大往生だったのでは?
車庫の片隅で終わっていたかもしれない命が
16年の時を経て、イタリアの地に還ることになるなんて
十分波瀾万丈なネコ人生ですよね。ご冥福をお祈りします♪
by あーろん (2006-08-25 12:10) 

nice!ありがとうございました^▽^ノ
シャコさんも幸せだったのではないかと思います。
16年連れ添うと亡くなる時淋しいですが、沢山の自然に囲まれた豊かな土地で眠ることが出来るという事は本当の幸せなんじゃないかなぁ。と思いました。
by (2006-08-25 14:18) 

toraneko-tora

悲しい話だけど・・・・・・・感激 !!
もっと "nice" を押したいけど・・・・一回しか駄目なんだよね
でも、きっと シャコリーヌ は幸せだったと思います・・・・今も・・・・
by toraneko-tora (2006-08-25 16:12) 

TaekoLovesParis

シャコのご冥福をお祈りいたします。
洋一さんメイコさんのところにひきとられ、イタリアの広い草原の庭で過ごし、
お友達もたくさん。幸せな一生でしたね。胡桃の木の下なんですね。。
by TaekoLovesParis (2006-08-25 19:11) 

tm-photo

今日は私のブログへご訪問ありがとうございました。
猫ちゃんへの愛情が伝わる記事ですね。
温かいです。
by tm-photo (2006-08-25 19:53) 

Bijoux

シャコちゃんお疲れさま。お友達と一緒にゆっくり休んでくださいね。
洋一さん&メイコさんもお気を落とされず。。。
笑顔な日々が早く戻りますように☆
Bijouxの家のニャンコも8年ほど前に15歳でこの世を去りましたが、
今でも大好きです。ニャンコたちは人間よりも早く逝ってしまうけど、
与えてくれた喜びと幸せは一生モノですねぇ^^
by Bijoux (2006-08-25 20:34) 

YAYA

はじめまして。
子供の頃に三毛猫かっていたんですが・・・
似ていて、どきっとしました。
もうずいぶん前に亡くなりましたが・・・・
ネコちゃんのご冥福お祈りいたします~。
by YAYA (2006-08-25 20:52) 

つぐみ

nice、ありがとうございました。
病気持ちの猫ちゃんだったようですが寿命をまっとうしたんでしょうね。
幸せに暮らせて良かったですよ。
きっと天国で喜んでることでしょう。
by つぐみ (2006-08-25 21:06) 

monad

はじめまして。
とても感激しました。
大切な、かけがえのないものを教わった気がします。
by monad (2006-08-25 21:15) 

さねさし

別れは必ず来るもので 悲しいことですが きっと幸せな人生 いえ猫生だったと思います とっても いいお話読ませていただきました 
by さねさし (2006-08-25 21:16) 

Illustrator-Tsuyoshi

はじめまして!石田剛と申します。Niceありがとうございます。今頃シャコは天国でお友達と楽しく飛び回っているでしょう!私はサンフランシスコの美術大学を卒業した者ですが日本の女性で猫は日本に連れて帰れないのでもらってはしいとの事で、私が飼う事になりました。名前はクッキーといいます。もちろん帰国時に日本へ連れて帰ってきました。現在9歳の雄猫です。アイコンの猫が私が描いたクッキーです!!
by Illustrator-Tsuyoshi (2006-08-26 02:57) 

ツカ

シャコ、とってもかわいい猫ですね。
由緒正しい日本猫、久々に見ました。
イタリアでお友達もいっぱいできて、シャコは楽しかったでしょうね♪
16年間も一緒に生活できて、plotさんよかったね♪^^
by ツカ (2006-08-26 03:44) 

STELLA

読んでてじーんと胸が熱くなりました。
シャコちゃんの人生、幸せだったんでしょうね。
素敵な場所でお友達と眠っているシャコちゃん、どうぞ安らかに。
by STELLA (2006-08-26 07:51) 

お別れするのはとてもつらいことですが、シャコちゃんは天命を
まっとうしたと思います。お二人と暮らして幸せだったでしょうね。
by (2006-08-26 10:52) 

いっぷく

16年もの歳月をともにされたら家族と同じですね。
ご冥福をお祈りします。
by いっぷく (2006-08-26 12:59) 

himika

シャコちゃん、命を救われて16年間可愛がられて大往生ですね。
写真のシャコちゃんのくつろいだ雰囲気からそう感じます。
いつかは訪れるとはいえ、お別れはさみしいですね。
大きな木の下で自然に還っていくってちょっと憧れるなあ。
人間はなかなかそうはいかないですから。
by himika (2006-08-26 14:59) 

Tommy

シャコリーヌちゃんのご冥福をお祈りします。
動物と過ごせる時は短いですが、
16年という歳月は猫ちゃんにとっては寿命をまっとうされたんですね。
ココロにジーンときました。
by Tommy (2006-08-26 23:11) 

ぱふ

お別れはつらいですけど
シャコリーヌちゃんは、大きな胡桃の木の下で今
幸せだったと満足してることでしょう。
お二人のいるところがシャコちゃんの故郷だったように
これからはシャコちゃんのいる木の下も、お二人の故郷の1つに
なるんですね。
by ぱふ (2006-08-27 01:24) 

小野寺榮一

愛する者達の魂が、生きて根付く胡桃の木ですね。
また何処かで生まれ変わった姿で、出合うかも知れませね。
by 小野寺榮一 (2006-08-27 08:27) 

sasasa

ご訪問ありがとうございました。
シャコリーヌちゃんも素敵な方に拾われて、幸せだったんでしょうね。
16年ですから、長生きでしたね。
by sasasa (2006-08-27 09:16) 

記事とは関係ないのですが、plotさんのブログを参考にさせて頂いて、クリック募金のリンクを貼りました!
ご挨拶が遅くなって申し訳ないです;;
ありがとうございました^^
by (2006-08-27 12:33) 

お久し振りです。
文章から、シャコちゃんが、家族として、愛情いっぱいの中で生活されていたのがよくわかります。
お別れはつらいでしょうけど、シャコちゃんは幸せだったでしょうね。
by (2006-08-27 20:53) 

norikopianist

シャコちゃんはイタリアに来てとても心地良くて、楽しい時を過ごせたことと思います。お友達と一緒に眠ることができてシャコちゃんはとても幸せです。
by norikopianist (2006-08-29 00:16) 

シェリー

はじめまして。私も今年の4月27日最愛の存在を亡くしました。
彼女は神様が私たち家族にくれた絆のようで、各々バラバラだった皆が彼女の周りに集まるようになり・・・娘のような親友のような家族の中心にいつもいる存在でした。すみません。私うまく伝えられないのですが・・・シャコちゃんの記事を読んで何かコメントしたい気持ちでいっぱいになったもので。シャコちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。我が家の「プリン」とも今頃天国でお友達になってるかな(犬なんですが・・・)
by シェリー (2006-08-29 18:27) 

plot

皆さん、温かいコメントとnice!本当にありがとうございました。

猫とはいえ訃報という寂しい話題を記事にすることに躊躇もあったのですが、皆さんの優しい心に触れることが出来てとても嬉しいです。

にこちゃん、Bijouxさん、シェリー さん、それに他のところでコメントしてくれたyk2さんも愛する猫ちゃんやワンちゃんを亡くした経験をお持ちなんですね。
出会いがあればいつか別れもあるものだし、猫や犬は亡くなった後に物質的なものはほとんど何も残さず、静かに去っていくけれど「人生ってこういうものなんだよ」と教えてくれるような気がします。
いしだつよしさん、クッキー大事にしてあげてくださいね。

Becoさん「クリック募金」のこと、鈴木浩司さんのサッカーの熱いblog「HIROSHI SUZUKI 大都会BLOG」
http://blog.so-net.ne.jp/hiroshi-suzuki/
で知りました。主催母体やシステムの詳細については無知ですが、協賛企業の社会貢献の志しは貴重だと思います。
by plot (2006-08-30 06:11) 

柴犬陸

留守をしておりまして、訪問が遅れました。
シャコちゃんは幸せな生涯を閉じられたのですね。
夫の実家でもかつて猫を飼っていました。善福寺公園に捨てられていたのを拾って、それから20年生きました。亡くなったのが日曜日だったから、みんなでお葬式もして、ちゃんと送り出すことが出来ました。
そんなことを思い出しています。
by 柴犬陸 (2006-08-30 11:50) 

鈴木浩司

天国のシャコちゃん
優しい木漏れ日の中で今日も日向ぼっこ
ご冥福をお祈りします。
穏やかな陽の中で・・・
by 鈴木浩司 (2006-08-31 13:16) 

ベアトラック

悲しいですが、これも現実なんですね。ご冥福をお祈りします。思い出はずっと残ります・・・
by ベアトラック (2006-08-31 15:48) 

plot

柴犬陸さん、コメントありがとう。
善福寺公園出身の猫さんだったのですね。石神井公園のほうが家には近かったのですが、善福寺公園にも遠征してボートを漕いだ高校時代の記憶があります。懐かしいです。20年生きたのは立派ですね。昔は長生き猫は化けると言われたそうですが、確かにひととおりの人語はしゃべれないまでも聞き取れているように見えるし、へたな人間以上の存在感と風格がそなわってきますね。歳より猫は大好きです。

鈴木浩司さん、コメントありがとう。
胡桃の木の下は今日も穏やかな陽があたっています。いろいろ無理もさせてしまったかも知れないけれど、そこそこ幸せな一生を送ってくれたのだと思います。

ベアトラックさん、コメントありがとう。
猫の一生は短いけれど、人間だって大差ないかも知れません。それが現実だとしたら、決して長くないでも短すぎもしない人生を大切に生きたいですね。
by plot (2006-09-03 01:33) 

mikachan

16年も連れ添った猫とのお別れは辛いものですね。
そんなに長生きできて幸せな猫さんです。
by mikachan (2006-09-11 18:40) 

plot

ミカチさん、コメントありがとう。シャコが15年間暮らした東京の家に今日帰ってきました。彼女が旅立ってちょうど49日。寂しいけれどシャコは胡桃の木の下で幸せに眠っていると思います。
by plot (2006-09-27 21:20) 

シャコ姫の愛されてる様子や幸せ生活がすごくわかります!
胡桃の木の下で、胡桃と遊んだり、黒山羊さんと遊んだり、
自由にはねまわってますね!きっと。
by (2007-09-14 23:47) 

plot

crystalmimiさん、コメントありがとう!
今ごろ、ルビちゃんとも出会っているかも知れませんね。
シャコの愛情表現は「噛みつき」なのでちょっと注意です。
by plot (2007-09-15 00:12) 

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