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ほんとうの空色 [トスカーナ生活]


ハンガリーの作家バラージュ・ベーラの「ほんとうの空色」(岩波書店)という大好きなファンタジー(児童文学)があります。子供のころ姉がとっていた小学生向け学習雑誌の付録で読んだのですが、ずっとその題名とストーリーを記憶していました。

主人公は貧乏だけど優しく正直で絵が上手なフェルコー少年。
金持ちのガキ大将に高価な絵の具セットを押し付けられて、彼の宿題の絵をかわりに描くことになるのですが、青い絵の具を猫に食べられてしまいます。
困ったフェルコーは用務員のおじさんに教わって、野原に12時から数分間だけ咲く青い花から空色の絵の具を作るのですが…。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4001140888/503-8005519-0415112?v=glance&n=465392
掬水という方がカスタマーレビューで「復刊ドットコムで67票を獲得したあと、岩波書店から刊行された」と紹介されています。きっと同じ思い出を持っている人がたくさんいらしたのでしょう。

原作では青い花は矢車菊(コーンフラワー)ということになっているらしい(手許に本が無いので確認出来ません)のですが、これはそれとは似てもにつかない花なのだけど、朝から午前中いっぱい咲いて午後にはしぼんでしまいます。

イタリア名チコーリアcicoria。チコリの花です。
根からディカフェイン・コーヒーもつくられるれっきとしたハーブなのですが、ここでは雑草と一緒に元気に咲いています。

僕はこの青い花こそ、ほんとうの空色のモデルの花だと勝手に信じています。
今朝も庭に咲き誇っています。
いつものようにあと数時間もするとしぼんでしまうのですが、明日の朝にはまた美しい姿を見せてくれる筈です。

こちらは畑に咲いている別の美しい花

カルチョーフィ(アーティチョーク)の花です。チョウセンアザミという和名もある巨大なアザミです、
大きな花は直径20cmほど。
食用にするのはこの花の蕾ですから、花が咲く頃にはカルチョーフィのシーズンも終っています。

今年のサンジョヴェーゼ。

期待できそう。

こちらはカーヴォロ・ヴェルツァ。キャベツの仲間。
畑にもありますがガルッツォ村の朝市で買った小粒の種類。

かなり葉の厚みもあるので茹でて頂くことが多いです。

モーラmora。ブラックベリー。

棘が強烈なので垣根に植えられています。

夏の間、たくさんとれました。

水分が極端に少ないのでワイン、砂糖と一緒に煮てジャムにします。


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あーろん

実際にチコリの花でどんな空色が作れるのか気になりますけど
やはり自然に咲いてる方がキレイなので
そのまま寝起きを繰り返していてほしいですね♪
カルチョーフィの花、そんなに巨大だとは思いませんでした
つぎは500円玉とかとの共演でお願いします(笑
ブラックベリーもおいしそう、目にもいいのかな
お腹いっぱい食べてみたいです (^^)
by あーろん (2006-09-08 17:49) 

ぱふ

“猫に絵の具を食べられた”というところに反応してしまいました ^ ^ ;

カーヴォロ・ヴェルツァ、キャベツと白菜の中間みたいに見えますね。
ゆでたあと、どんなふうに食べるんですか?
by ぱふ (2006-09-08 18:52) 

猫が絵の具を食べた・・・おなかを壊さないのかなぁ。
自然から青色をとるのはいいですね。どんなお話なのか一度本を読んでみたくなります。
ブラックベリーがおいしそう。と言って一度も食べたことがありません(爆笑)
by (2006-09-08 20:36) 

TaekoLovesParis

とても楽しく読ませていただきました。
洋一さんは、小さい時から絵がお好きだったのでしょうね。だから、青い絵の具を花から作る話が心に残ったのでしょう。
アーティショーが20センチの花になるとは。。。驚きです。ま、決して小さい
つぼみではありませんものね。
ブラックベリーは水分が少ないから、ジャムにするんですね。なるほど~
でした。水分が少ないと、生で食べると、ぼそぼそするのでしょうか?
by TaekoLovesParis (2006-09-08 23:10) 

SOLE

カーヴォロゆでて食べたことないです。
野菜の旨みがでておいしそうですねぇ~。
by SOLE (2006-09-09 00:31) 

ツカ

空色の花、いいな~!
すごく儚いけど、夢がある感じがしました♪^^
by ツカ (2006-09-09 01:42) 

norikopianist

なんて綺麗な青色のお花!青だけでは表現し切れない、繊細な色のお花ですね。見ているだけで癒されます。とても芸術的なブログを拝見し、引っ越しの疲れが少し取れました。ありがとうございます!
by norikopianist (2006-09-09 02:40) 

匁

福井洋一さん おはようございます。
楽しい思い出を聞かせていただきありがとうございます。
ブラックベリー。気になります。
ブルーべりのヨーグルトやジュースを飲んでいるもんですから。
by (2006-09-09 07:09) 

toraneko-tora

なんか私の食べたことの無いものばっかり、並んでいるみたい
しゃしんも記事もいいけど、ネコキチの私には、考え込んでるのか、何かを見つめているのか、耳を前にして・・・・・・・表情が見えるみたいです
by toraneko-tora (2006-09-09 07:28) 

つぐみ

「ほんとうの空色」ってフレーズがいいですね。
谷川俊太郎さんの「空の青さをみつめていると」という詩を思い出しました。
by つぐみ (2006-09-09 09:32) 

Illustrator-Tsuyoshi

自然がつり出すものや、色は驚くほどの美しさだと子供の頃から思っていました。
by Illustrator-Tsuyoshi (2006-09-09 13:38) 

シェリー

こんばんわ~
青い花で作った青い絵の具・・・続きがとっても気になっちゃいました(><)
今でも思い出す子供の頃に読んだお話。。。いいですね~
青い花畑って案外珍しいですよね。数時間しか咲かないんですね。
私の知り合いが、今年中国へブルーポピーを観に行ってました。写真みせてもらいましたがそちらも素敵でしたよ~
美味しそうなジャムはタルトなんかにされるのかな??
by シェリー (2006-09-09 23:25) 

nicolas

チコリの花、こんなにイッパイあると綺麗~
ブルーの花ってなかなか綺麗に撮れなかったりしますが、これは綺麗ですね~
柔らかい感じもよくて好きです。
カルチョッフィの背丈が少し低めでしょうか?ミニサイズあるのかな~
by nicolas (2006-09-10 02:53) 

tonpoo

とてもキレイな青ですね。空の色か・・・今日の湘南の空も少し濃い目の
キレイな青です。もう、秋になってきてるんでしょうね(相変わらず蒸し暑いですが)
花というとイメージは暖色ですが、寒色の花も涼しげでいいですよね。
ネコの額ほどの我が家にも寒色の花を増やしたいなと思っています。
by tonpoo (2006-09-10 14:47) 

柴犬陸

空色、というのが夢をかきたてますね。
都会ではなかなか本当の空色が見えません。
by 柴犬陸 (2006-09-11 11:00) 

chi-ran

ほんとうの青色ってそれぞれの人の思い出によって色が少しづつ違いそうですね
ブラックベリーのジャム。・。・おいしそうですね^-^
by chi-ran (2006-09-11 23:31) 

kom

自分にとっての「空色」ってどんな色なんだろうなと考えてしまいます。「水色」はきっと・・・。
チコリの花の色はとても印象的で好きです。先月、思いあまって種を買ってきて蒔いてみました。
うまく育つといいんですが。
by kom (2006-09-12 00:34) 

鈴木浩司

週末に軽井沢に出かけるのですが、
お土産はジャムに決まりました。。
by 鈴木浩司 (2006-09-12 11:24) 

ベアトラック

ブラックベリーのジャム、おいしそうですね。
by ベアトラック (2006-09-13 18:10) 

plot

皆さん! 素敵なコメントとnice!ありがとうございました。ウィーン、ミラノと駆け足で昨日、フィレンツェに戻りました。明日からローマ〜ナポリです。
というわけでお待たせして申し訳ありませんが、再びフィレンツェに戻り次第お返事いたしますね。Ciao!
by plot (2006-09-14 06:12) 

いっぷく

青い花のお話をいつまでも記憶にあったのは自分と重なるところがあったのでしょう、なかなか発想のいいお話ですね。
実際にこの写真の花の色はステキな青が出ていますね。

ブラックベリーの垣根はイギリスにも多いのですが、棘に塀としての役割の秘密があったんですね、ジャムを作るためとか思ってました。
by いっぷく (2006-09-14 15:58) 

TaekoLovesParis

plotさん、お気をつけていってらっしゃい。
ナポリやローマはまだ暑いのかしら?日本は少し涼しくなってきたけれど、
台風シーズンです。お帰りになってからの記事のアップを楽しみにしています。
今回もおいしいもの食べに行くんですよね。
by TaekoLovesParis (2006-09-16 22:16) 

わぉ!たくさんの空色の花、キレイですねぇ~^^
私は、昔から、ブルーの花、と言えば、ウチの前に咲いていた、「露草」。
小さいけれど、とてもいい青なんですよ。
ちりめんキャベツ?、日本ではとても珍しいですよね、気になります。
ブラックベリーもお庭にあるなんて、いいですね♪
こちらは、1週間、青空が見えませんでした。来週は晴れるといいな~。
by (2006-09-18 03:51) 

小野寺榮一

アーティチョーク気になります。
by 小野寺榮一 (2006-09-18 20:22) 

こんばんは♪
青い花 大好きです。
ことしのいけばな展に青いデルフィニウムの花をいけました^^
by (2006-09-18 23:37) 

Bijoux

ベリーベリー♪大好きー♪
アンティチョークってお花が咲くのですね@@!
by Bijoux (2006-09-23 15:21) 

plot

あーろんさん、
野の花は咲いているところを見せてもらうのが一番ですね。カルチョーフィの花、次回は500円玉と一緒に撮ります! もう散ってしまったので来年ですが。ブラックベリー、ブルーベリーよりも強力みたいです。アントシアニンが濃いんですね。この夏、たくさん食べましたけど、こちらもさすがにもう終わりです。

ぱふさん、
キャベツと白菜の中間というより、かなりしっかりしています。以下のレシピbyメイコ。
フライパンにみじん切りしたニンニクとオリーブオイルを入れて、弱火。ニンニクの香りが出てきたら、赤唐辛子(種で辛さを調節します)と茹でたカーヴォロ・ヴェルツァを加え、弱火のまま、30分ぐらいカリカリになるまで炒めます。

nekoさん、
猫は食べた後、青く光ります。お金持ちか王様に高く買われますが無事逃げて帰ってきます。ブラックベリーは日本でもたまに見かけます。ジャムの方が手に入りやすいかも知れません。


Taekoさん、
この花のおかげで子供のころ読んだ本を思い出せて嬉しかったです。大分涼しくなったけれどイタリアを発つ日もまだ咲いていました。
フランス語ではアーティショーなんですね。食べても美味しいけれどもったいないくらい美しい花でした。
ブラックベリー、生で食べてもとても美味しいです。垣根からたっぷり収穫しても数日後には新しく熟した実がたくさんなっているので食べ切れなくてジャムにするんです。といってももう全部食べちゃいましたけど。


SOLEさん、
お酢とワインと水で茹でてソットオーリオにしても美味しいですよ。こちらのレシピは長くなるとのことなので次回にしますが。

ツカさん、
儚く美しい花を見ると、本当の美というのはそういう切ないものなんだと、自分の絵の執着心の多さを反省します。「もっと執着した方が良いのでは?」と言う声も聞こえてきそうですが。

noriko さん、
再開されたNY生活、少し落ち着かれましたか?そちらには友人もいるのでぜひ訪ねたいし、noriko さんのコンサートも聴きに行けたらと思っているのですが、来年以降になってしまうかな?

tigerkitaさん、
ヨーグルトとベリー類はとても相性が良いですね。パソコンでイラスト描くのはとても目が疲れるからブルーベリージュースたくさん飲んでくださいね。ヨーグルトは免疫力もupしてくれますってメイコが書いている本の受け売りですが。

toraneko-toraさん、
一番のお気に入り猫、ハクビシンに注目してくれて嬉しいです。天真らんまんで良いヤツです。彼女が見つめているのは多分、虫だと思います。

つぐみさん、
「ほんとうの空色」、とても詩的なイメージにあふれていてストーリーも良く出来ています。ラストも素敵です。思春期少し手前の少年少女に是非読ませてあげたい本です。映画の原作にもなりそうだけど。

いしだつよしさん、
そうですね。自然とけんかしても勝ち目はないですね。良い芸術には自然に学ぶ謙虚さが必ずどこかにありますね。先日ウィーンでエゴン・シーレを観た時にも感じました。

シェリーさん、
本当はお話の続きも書きたいのだけど本を読む人のじゃまになりそうなので。
中国のブルーポピーも見てみたいです。ジャムはタルトとかになる前に全部、食べてしまいました。

にこちゃんさん、
本当の色、この写真ではまだぜんぜんうまく出ていないのです。それに花の色自身も時間や空の明るさでずいぶん変化していきます。一番きれいなのはまだ朝早く、庭に陽が当たらない頃、フラッシュが自動発光するくらいの明るさの時です。本当の美しさを表現するには「ほんとうの空色」の絵の具が必要です。カルロの畑のカルチョーフィの株は大きさがまちまちです。この写真のものは確かに小さめの株でした。これは標準的な大きさですがカルチョーフィにはいろいろな種類があるはずです。八百屋さんに並んでいる蕾の色や大きさもたくさん種類がありますから。
by plot (2006-09-28 09:34) 

plot

tonpooさん、
お返事がすっかり遅れて季節が変わってしまいましたね。
湘南の空も素敵ですね。イタリアと日本を比較する時、つい東京をイメージしてしまいますが日本にも素敵なところがたくさん残っていますね。お庭に花があるのは良いですね。今、東京に戻って書いているのですがここには花も庭もないので寂しいです。

柴犬陸さん、
そうですね。空が狭くて青さもうすく感じます。でもたまに雨が上がった空など清々しく見える日もありますね。東京の悪口、あまり書かないようにしようっと。

ちえさん、
そうですね。遠い幼い日の夏、空に浮かぶ入道雲。空をたくさん見る事はなんだかとても大事な事かも知れませんね。

komaさん、
チコリの花、たくさん咲くと良いですね!絵書きの立場からみても青ってとても難しい色です。それに不思議です。昔のフレスコ画では空の下地に赤い色を塗っています。その上に青をのせると発色が良いというのですが、発色だけでなく空の高さも表現出来るような気がします。

鈴木浩司さん、
軽井沢のジャム、美味しそうですねって書いて、えーといつの週末だったのかなってカレンダーを見てしまいました。もう少しレスポンス早くしたいところですが、blogばっかりの生活にする訳にもいかないしって…言い訳です。

ベアトラックさん、
僕にとって未知の大陸のお話、興味深く読ませてもらっています。あちらにも美味しいベリー、たくさんありそうですね。

いっぷくさん、
実際にブラックベリーを摘むまでは、棘の効果に気付きませんでした。まともに刺さると強烈です。僕がもし泥棒だったらブラックベリーの垣根にはぜったい近寄りません。でもイギリス人のほうがジャムづくりとかまめかも知れませんね。我が家の近所では「収穫」しているのは僕たちと、ジョギングしているイギリス人かドイツ人くらいで、ほったらかしにされている可愛そうなブラックベリーの垣根も多いです。

Taekoさん、
ありがとう!ナポリもローマも暑かったです。美味しいものも食べたけどコーヒーの取材だったのでがぶ飲み状態でした。大好きなので大丈夫と思っていたけど最後はさすがに辛かったです。

あやっぴぃさん、
露草、僕も子供の頃から好きだった花です。ちりめんキャベツって言うのかな?日本で手に入るものとは少し違うかも知れません。とにかくしっかりかたいのが特徴です。昨日、帰った時成田はちょっと憂うつな曇り空、東京では少し降り出していました。今朝は晴れていますね。良かった。11月に帰る頃にはイタリアも雨の多いシーズンなのだけど、そのほうが絵の仕事ははかどるかも知れませんね。

eiichiBOXさん、
「記憶の大地」吸い込まれるような風景ですね。海を撮影しているような不思議な感覚…わかるような気がします。

panda_pandaさん、
デルフィニウムもとてもきれいな青い花ですね。生け花もとても奥行きの深い芸術ですが、原産地で自然に咲きほこっているところも見てみたいですね。

Bijouxさん、
アンティチョークの和名がチョウセンアザミだとは知っていましたが、本当に花が咲いたのを見てとても驚きました。あの緑色の蕾がそのままちょっと開く位にしか想像していませんでしたから。
by plot (2006-09-28 09:35) 

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