「白夜祭り」と「座敷童」前編 [アトリエから]
サン・ニッコロ・ソプラルノ教会の壁に浮かび上がった
フィレンツェは北緯43度47分、旭川 (北緯43度50分)とほぼ同じ。
「洪水の前に跳ぶ猫」
6月21日、オルトラルノ地区※で催された
ノッテ・ビアンカ「白夜祭り」
Notte Bianca in Oltrarno
のご紹介です。
だから、もちろん本物の白夜という訳ではありません。
〈でも暑いし(ここ数日は日中30℃を越えています)、連休だし※※何か楽しい事をして明け方まで過そうよ〉という趣旨(?…多分)のお祭りです。
※オルトラルノ地区 ; Oltrarnoは「アルノ川を越えたところ、アルノの川向こう」と言う意味。
フィレンツェを東西に横切るアルノ川左岸(南側)の地域。
「川向こう」と言う呼ばれ方が気に入らない生粋の住民は、自分たちの住む地域を誇りを込めて「ディラッダルノ」Diraddarno=アルノのこっち側(?)と呼ぶこともあります。
右岸に比べて開発が遅れた(といっても12〜14世紀の話です)ため、庶民的な雰囲気を残していて、今も各種の職人が多く暮しています。
※※連休; 6月24日火曜はフィレンツェの守護聖人、サン・ジョヴァンニ=San Giovanni Battista洗礼者聖ヨハネの祝日。23日月曜もついでに休んでしまう会社、商店も多い。
6月21日、午後8時30分頃のアルノ川。
遠くに見えているのはポンテ・ヴェッキオ。向って右側がオルトラルノ地区です。
同じく8時30分頃、サント・スピリト通り。
ワインのティスティングの準備中。楽しそう。
今日は車両進入禁止。トラットリアは道一杯にテーブルを並べています。
こちらはアペリティフの屋台。夜が更けるにつれて賑わい始めます。
職人の町のお祭りの主役はもちろん職人さん。
祖父の代から3代続く鍛鉄(ロートアイアン)職人のミンモは夜通し制作実演中です。
サン・ニッコロ・ソプラルノ教会の前にも人々が集まってきました。
11世紀創建され、15世紀初頭に再建、16世紀に改修。
小ぶりですがフィレンツェでも最も古い歴史のある教会の一つです。
この教会の壁に四大元素、
〈水〉〈土=大地〉〈大気=空〉〈火〉を象徴する作品を投影するというイベントです。
参加した画家は
Tommaso Brogini
Lorenzo Puliti
Micaela Rosa
Eleonora Brilli
Edoardo Nunez Valbuena
Connie Solari
Yoici Fkui(福井洋一)
Giuseppe Bottai
の8人です。
これは発案者トンマーゾ・ブロジーニの作品。
僕の作品です。
新作を描く時間が無く旧作の中からテーマに添ったものを選んで投影。
冒頭の作品は〈大気〉というわけ。
これは〈水〉
こちらは〈大地〉
これが〈火〉。
今年はほとんど飛び入りだったのですが、
来年は企画段階から参加したいと思っています。
もう少し大きく写したいとか、いろいろ反省もあったし。
以下は投影した作品です。
日付が変る頃には引き上げましたが、
アルノの川向こうは明け方まで大騒ぎが続いていました。
翌22日はサッカー・ヨーロッパカップの準々決勝でイタリアとスペインが激突。
結果はご存知の通りですが、もし勝っていたら連日連夜のお祭り騒ぎになっていたでしょう。
健康と近隣住民の安眠の為には幸いだったかも…
…なんて言ったら怒られますけどね。
「座敷童」については後編で。
アペリティフの屋台がなんともです・・・素敵
素敵が大集合して夜が更ける
1人じゃ寂しいかもしれないけど
仲間がいれば一段と素敵だったんでしょうね
by pace (2008-06-24 19:59)
こんにちは。
街中で、”得意な分野”?でお祭り騒ぎ...良いですね。
教会の壁をスクリーンにするというのも良いアイデアだと思います。
by HIRO (2008-06-24 20:03)
暑い時には楽しむというがいいですね。
日本では考えられない(;^_^A アセアセ・・・
by green_blue_sky (2008-06-24 20:52)
伺うたびに天井を眺めっぱなしになってしまう大好きな「洪水の前に跳ぶ猫」♡
まさに「大気」ですね。
by てんとうむし (2008-06-24 22:06)
あるテーマのもとに集めた作品を壁に映し出すとは、おもしろい趣向ですね。洋一さんの絵が壁になじんでいます。
by TaekoLovesParis (2008-06-24 22:09)
教会の外壁に絵を写すのは面白いアイディアですね。来年からは教会の中をギャラリー(ってのはムリかな・・・^^;)にして、本物の絵も展示するってのはいかがでしょうか。
ときにオルトラルノ地区ってピティ宮側の川沿い奥と考えれば良いのでしょうか?。ポンテベッキオを臨む写真は背中左方向が駅の方角??。
by yk2 (2008-06-24 23:08)
こちらと、10℃ほど気温差があるんですね。
今朝の最低気温は、8℃でした・・・。
「洪水の前に跳ぶ猫」好きです♪
うちの猫だったら、もっと横に太いんだろうなぁ・・・なんて思ってみたり。
by Inatimy (2008-06-25 05:33)
跳ぶ猫は発想が面白いです。
職人の町では奥様も嬉しそうですね。
イタリアの足指の先端にサンジョンバニ町がありますが、フィレンツェの守護聖人サン・ジョヴァンニの名から取った街なのかな?
by 旅爺さん (2008-06-25 05:59)
その辺りは行ったことがありませんが、暮らしやすそうな通りですね。
これからは長い夜を楽しめますね。いいなあ!
by ぱふ (2008-06-25 08:51)
確かに、川向こうっていわれたら、住んでいる人はイヤですよね。
職人のお祭りって、にぎやかそう!
夜遅い時間のほうが涼しいし、楽しそうですね^^
by あやっぴぃ (2008-06-26 12:42)
レストランの外のテーブルで、コーヒーやビールを飲み、パスタや魚料理を食べる。 何とも言えない至福のひと時ですね。 私ももう一度味わってみたいと思っています。
by kotobuki1946 (2008-06-26 22:26)
こちらではフィレンツエの日本人落書き事件が
大きくマスコミに取り上げられています。
そちらではどうですか?
by とらion (2008-06-27 21:33)
今日からクロアチア・シリーズで再開しました
またよろしくお願いします
by toraneko-tora (2008-07-01 16:13)
美しい写真、興味深い説明の数々、ずっと遡って拝見いたしました。ありがとうございました。
by もとこさん。 (2008-07-01 18:32)
アルノ川の写真きれいですね~♪^^
お祭りも楽しそう♪
作品を投影するなんて面白いですね!
〈水〉がとても涼しげでいいですね♪
by ツカ (2008-07-20 00:48)
皆さま、とても素敵なコメント、
ありがとうございました。
お返事、(毎度ですが)すっかり遅くなって失礼いたしました。
ほぼ一ヶ月間、一時帰国。数日前、フィレンツェに戻りました。日本でゆっくり、お返事&更新などという考えは大甘で、例によってバタバタでした。
やっぱりこちらの方が落ち着きます。
というわけで、皆さまのblogへの訪問も再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
by plot (2008-08-10 21:41)