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ヨーロッパ伝統菓子散歩 ポルトガル編 [Giro d'Europa]

またまた超スローペースの記事更新となってしまいました。

それにはある楽しい事情があるのですが、その話は次の機会に。

今回は更新が遅くなったお詫びもかねて

ポルトガル・スイーツ取材レポートを大公開します!!

題して

「メイコ・イワモトのヨーロッパ伝統菓子散歩」その1

ポルトガル編メイコの謎解きレシピ付き)です。

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「メイコ・イワモトのヨーロッパ伝統菓子散歩」その1

ポルトガル編

 ポルトガルと日本との古ーい関係

 ポルトガルと日本の関係は古く、1543年、種子島に漂流舟で流れ着いた3人のポルトガル人から始まったそうです。

この時伝えられた鉄砲が織田信長の天下統一に決定的な役割を果たしますが、今では日本語になっているシャボンやボタン、カルタ、タバコなどの言葉も同時に伝わりました。

 おなじみのカステラも金平糖も丸ボーロもポルトガル伝来と聞くと何だかポルトガルという国がとっても身近に感じられます。

 現在のポルトガル

 そんな日本との関係も深いポルトガルには世界遺産も数々あります。ジェロニモ修道院、ベレンの塔、シントラのポルトガル王室の夏の王宮、19世紀建造のペナ宮、ムーア人の城壁などなど、目を見張る素晴らしさです。

 今回訪れたのはリスボンとその周辺でしたが、リスボン旧市街の名所、入り口が馬蹄形をした美しいロッシオ駅(1886年完成)から始まり、サンタ・ジュスタのエレベーター、カルモ教会、サン・ジョルジェ城、コメルシオ広場、コンセイサオン・テ・ヴェーリャ教会、くちばしの家、セ大聖堂、グロリアの路面電車でサン・ロケ教会などなどを訪れれば、リスボンの街の美しさと優しい懐かしさに包まれます。

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ベレンのジェロニモ修道院


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ベレンの塔

 

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サンタ・ジュスタのエレベーター


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コメルシオ広場入り口のアーチ、アウグスタ通りから

 

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くちばしの家

 リスボンLisboa

スイッサの「ティジェラーダ」Tigelada 

 リスボンで驚いてしまうのは、あらゆる通りの7軒おき位にスイーツ屋さんに出会う事です。ポルトガルのスイーツ屋さんには、甘いスイーツと共に、鱈のたっぷり入ったポテトコロッケ(パスティス・デ・バカリャウ)や、ほぐした魚の入った三角錘形のコロッケなどなどが肩を並べてシューケースに収まっています。奥のテーブル席は食事のテーブルセッティングされていて、ランチもディナーも頂く事が出来ます。つまりお菓子屋さんはレストランも兼ねているのです。炭焼きが人気のこの国では、ほとんどのお菓子屋さんには炭焼きの出来るキッチンも併設されています。鰯の炭焼き定食を頂いた後のデザートは、店お勧めの定番「パステル・デ・ナタ」。幸せなコラボが毎日そこここで繰り広げられているという感じです。

 リスボンの街の中心ロッシオ駅前には大きな銅像がそびえるドン・ペドロ4世広場と、フィゲイラ広場があり、美味しいお菓子屋さんがたくさん軒を連ねています。

 オリジナルスイーツ「ティジェラーダ」が評判の「スイッサ」はドン・ペドロ4世広場に面した老舗で、私の一押しのお店です。

一般的な「ティジェラーダ」はプリン型の上面に焼き目を付けた、いわゆる焼きプリンなのですが、「スイッサ」の「ティジェラーダ」はちょっと変わっています。

平べったくて、丸くて、ホットケーキのような形のプリン。全面に虎模様の焼き目が付いています。

初めて見た時はこれは何だろう?と思い、一口食べてプリンかもしれないと思ったのでした。

二口目からは、しっかりしたプリンを感じ、でもちょっと卵焼き?という感じです。甘すぎず、癖になる美味しさに人気の秘密が見えたようにも感じました。

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ドン・ペドロ4世広場

 

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ドン・ペドロ4世広場の「スイッサ」

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「スイッサ」の豊富な焼き菓子類

 

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「スイッサ」の「ティジェラーダ」(左上)と「パステル・デ・ナタ」

 

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上「パステル・デ・ナタ」と、手前「ティジェラーダ」

 

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「ティジェラーダ」断面

 

Pstelarias Suiça

Prç.D.Pedro IV (Rossio), 96 a 104, Lisboa

Tel. 21.321.40.90


メイコの謎解きレシピ

スイッサの「ティジェラーダ」Tigelada / リスボンLisboa

 材料:卵8個、牛乳1リットル、砂糖350g、ポートワイン大さじ3、シナモン小さじ1、コーンスターチ大さじ1、すりおろしたレモンの皮1個分

作り方

1)           大きめのボールに卵、砂糖を入れ良くかき混ぜる。ポートワイン、シナモンも加え、さらに良くかき混ぜる。牛乳、すりおろしたレモンの皮、コーンスターチも加え全体が良く馴染むまでかき混ぜる。

2)           直径10センチのフライパンを良く暖め、1)のタネを流し込み、焼き目がついたら裏返して蓋をし、蒸し焼きする。

 

ベレンBelém

ベレン菓子店の「パステル・デ・ナタ」(カスタード・クリーム・タルト)

 美味しい「パステル・デ・ナタ」が食べたければベレンを目指せ!という情報で、リスボンから市電に乗って25分のベレンにやって来ました。

市電から世界遺産のジェロニモス修道院が見えたら、そこがベレンです。停留所の斜め右前に人だかり。「ベレン菓子店」の紺色のテントが目に入りました。

 ポルトガルのお菓子屋さんで「パステル・デ・ナタ」を置いていない店は存在しないと言っても過言では無いと思います。それほど皆に愛されているスイーツです。そしてリスボンの人は口を揃えてベレン菓子店が一番美味しいと教えてくれます。人気のスイーツに出会えると思うと胸が高鳴りました。

さて席について運ばれてきたパステル・デ・ナタは、粉糖とシナモンパウダーをたっぷり振ってもらい、焼きたての暖かいうちに頂くと言うタイプのタルトです。

 そのお味はと言うと、ちょっと拍子抜けするくらい素朴!薄めのタルト生地の中にさっぱり系のカスタードクリームが入っていて、上面に焼き目がしっかり付いています。

あまりに素朴すぎ!?  でも毎日でも食べられる安心感があります。食べ終わる頃には「明日も食べよう」と思っている私がいました。 

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ジェロニモス修道院

 

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ジェロニモス修道院 中庭

 

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「ベレン菓子店」

 

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ベレン菓子店の「パステル・デ・ナタ」、粉糖とシナモンパウダーたっぷり

 

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焼き上がった「パステル・デ・ナタ」をひっくり返して、焼け具合を確認しているスタッフ

 ベレン菓子店

Psteis de Belém  Rua da Belém n° 84 a 92

 

 

シントラSintra


ピリキータ Piriquita「ケイジャーダ」Queijada

  リスボンから電車で45分、世界遺産のポルトガル王室の夏のシントラ宮殿、ムーア人の城壁、ペナ宮などでも有名なシントラ。この町の名物菓子は「ケイジャーダ」(ミニチーズケーキ)。人気のロングセラーとのことです。

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シントラ宮殿 巨大な2つの円錐は宮殿厨房のオーブンの煙突


鉄道駅からさらにバスに乗って10分ほどで町の中心レプブリカ広場に到着します。

(世界遺産を回る観光客用のバス路線na.434が駅−レプブリカ広場−ムーア人の城壁−ペナ宮を15分おきに回っていて、4.5ユーロのチケットを購入すると、1日中乗る事ができます)

シントラは、二つの大きな煙突が目立つシントラ宮殿前のレプブリカ広場を中心としたこぢんまりした可愛く美しい町です。

 奥まった小道の左側に小さな名店「ピリキータ」がありました。奥に広い店内の入り口付近は客でごった返しています。入り口の番号札を取って、呼ばれるまで待ちます。その間にシューケースの中を覗いてスイーツの名前を覚えたいと思ったのですが…難しい!!!結局前の人やみんなが買っている一番人気のトラヴェッサーラ(リンゴパイ)とケイジャーダ(チーズケーキ)、6個入りお土産を3個、何とか買って奥のテーブル席で頂く事にしました。

回りを観察してみると、ほぼ全員トラヴェッサーラを頬張っています。

食べて見るとパイはホロホロと崩れる感じの軽い仕上がりで、中にはリンゴペーストがたっぷり入っていますが、甘さ控えめでとても美味しい仕上がりです。

お土産にしたケイジャーダは家に持ち帰り食べました。パリパリで薄いパイ生地の中にチーズと言うよりもパウンドケーキのようなさっぱり目の生地が流し込まれています。小ぶりな大きさが丁度良い、後をひく美味しさでした。

1日に何個でも頂けるという優れもので、我が家ではあっという間に売り切れてしまいました。あと3パックは買って来れば良かったと反省。

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「ピリキータ」

 

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「ピリキータ」のショーケース

 

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トラヴェッサーラ(リンゴパイ)手前と奥ケイジャーダ(チーズケーキ)

 

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手前が6個入りお土産の可愛い包み

 ピリキータ Piriquita

Café a Piriquita, 

Rua da Padarias,1/3 Sintra

Tel.+351 219 230 626

トラヴェッサーラTravesseiro 1.15ユーロ

ケイジャーダQueijada 0.8ユーロ

次回は〈リスボンの美味しいレストラン情報〉の予定です。


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コメント 10

ぱふ

リスボンも憧れの地です!
そういえば、マカオで食べたカスタード系の焼き菓子、
きっとティジェレータあたりがルーツなんでしょうね♪
by ぱふ (2009-09-28 11:55) 

Inatimy

謎解きレシピはとってもありがたいです。
ティジェラーダ、これくらいなら材料が揃いそう。
作ってみようかな♪
by Inatimy (2009-09-28 20:56) 

TaekoLovesParis

リスボンとシントラへは昨春、行ったので、親しみを持って写真を見ました。ジェロニモス修道院のすぐ近くのベレン菓子店、私も行って、パステル・デ・
ナタを食べたので、記事に写真をのせました。ポルトガルは、カスタード系がおいしいですね。友達は、ずっとイタリア語で通してて、私の英語より通じてました。

by TaekoLovesParis (2009-09-28 21:22) 

emu310

本当にお久しぶりです。
楽しい事情ってなんでしょう。
早く記事にして教えてください。

今回の盛りだくさんの記事、時間がなくて読めません。
あとでゆっくり読ませていただきます。
by emu310 (2009-09-29 00:42) 

匁

お久しぶりです。
お元気そうでなによりです。
楽しい話 楽しみです。
by (2009-09-30 07:28) 

kotobuki1946

元気な様でよかった。
スペインはよく話題になりますが、日本はポルトガルの方がなじみがあるはずなんですよね。

by kotobuki1946 (2009-10-08 22:02) 

himika

美しい街並みとスイーツ、どちらもみとれてしまいます。
メイコさんのレシピ、卵8個に牛乳1リットルに砂糖が・・・
その分量に圧倒されました(笑)
by himika (2009-10-11 00:14) 

Bijoux

ご無沙汰しちょります^^
美味しそぉなモノがいっぱぃだー♪(喜)
by Bijoux (2009-10-14 12:55) 

mellow

久しぶりに拝見させていただきました。

素敵なスイーツ!
ケイジャーダのお土産の包み かわいいですね。
チーズケーキたべてみたい。

by mellow (2009-11-11 14:44) 

plot

皆さま、コメントありがとうございます。
ポルトガルにすっかり魅了されました。

ブログの更新も亀ペースが定着してしまったこの頃ですが、両名は元気にやってます。
引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。
by plot (2009-11-14 12:35) 

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