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黄金分割という名の万年筆 Visconti Divina Proporzione [DIARI]


フィレンツェのおしゃれな界隈、ヴィーニャ・ヌオーヴァ通りVia della Vigna Nuovaを散歩していたら、ヴィスコンティのショールームで見慣れぬ万年筆を発見。万年筆用とは思えない大きく立派な箱には何やら分割コンパスらしきものも。(sharen社の黄金比コンパス“Compasso Leonardo Genio”?)
ショーウィンドーを覗き込んでいたら、素敵な紳士が手招きします。せっかくなのでお店に入ってその新製品についていろいろ伺いました。

その名はDivina Proporzione=神聖比例(黄金分割の別名)。限定生産です。
今日がお店に陳列した初日。今月19日のカンヌ映画祭会場でワールドプレミアなんだそうです。
作りもデザインも美しいのですが、キャップの開閉のアクションがとても不思議です。上手く説明できませんが、キャップを軽く1/8回転くらいひねるとプクンとはずれ、締める時も同じようにプクッと入ります。
またインクを注入するシステムにはレオナルドの螺旋ポンプの原理が使われています。


こちらはパンフレット。裏にはレオナルドの人体比例の素描や自然界に存在する黄金比の解説も。


キャップのところで 1:0.618(=1.618:1)の黄金比が表れます。

ヴィスコンティの創立は1988年と意外に新しい会社です。
ホームページによると創立者はDante Del VecchioとLuigi Poliという二人の万年筆コレクター(もしかしたらあの紳士はそのうちの一人?名前を聞いておけば良かった)。
きっと二人は、自分達がコレクションしたい万年筆を作ろうと思ったのでしょう。ヴィスコンティの万年筆は工芸品としての魅力に溢れています。
最後にこのセットのお値段を伺ったら、ここにも黄金比と同じ数字が表れました。€1,618。日本円で24万円以上。
充分それ以上の価値はあると思います。でも残念、ちょっと手がでませんでした。
セルロイドとムクの18Kt.ゴールドを組み合わせた“618”と、スターリングシルバーの“1618”の2タイプがあるようです。

ヴィスコンティ社のホームページ
http://www.visconti.it
(まだこの万年筆の情報はupされていないようです)

Visconti srl Via dell'Osservatorio, 120 50141 Firenze Italia
Tel. 0039.055.45652.1
Fax 0039.055.4250342
Contact: Mr. Dante Del Vecchio or Mr. Luigi Poli : Email. visconti@visconti.it

ちなみにヴィスコンティ社の所在地は、フィレンツェを見おろす南側の丘。Osservatorioとは天文台の事。一般にはガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei 1564-1642)の天文台として知られるアルチェトリArcetri天文台の一画です。
天文台の創設は1872年ですからガリレオと直接の関係はありません。ただそのごく近くにガリレオが晩年を過ごしたヴィラ(郊外の邸宅、別荘)が現存しています。
6年前、ヴィスコンティ社から200mも離れていないお宅に間借りしていました。その時はヴィスコンティ社の存在もその素晴らしい万年筆も知りませんでした。知ってれば友達になってたのに。


アルチェトリ天文台のホームページ
http://www.arcetri.astro.it/


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toraneko-tora

黄金分割の万年筆・・・・・
使ったら、字が上手くなるのかなぁ~    もしそうなら買いたいな !!!

イタリアは北と南と二回も行ってるくせに、ローマ・フィレンツェなど真ん中は行っていないんです     普通の人は一番先に行くんでしょうけれど・・・・
by toraneko-tora (2006-05-09 06:11) 

60記事の120nice頂きました(^0^)
これは・・・1:2ですね。(笑)
素敵な万年筆ですね。
これを使えば、ものすごく字が綺麗に書けそう・・・(^^;
by (2006-05-09 13:07) 

いっぷく

はじめまして♪。
早朝に、初めてPlotさんの記事を読んで感心してました。その後引き続き、plot さんのHPに見に行ったり、ついつい記事や絵に引き込まれて(素晴らしかったので)
また、ゆっくり訪ねようと自分のBlogに戻ったら、Plotさんがniceを押されて
足跡を残されていたのでびっくりしました。
興味深い記事や写真が豊富なので楽しみが増えました。

万年筆の開発者は相当な情熱を持っているのがひしひしと伝わりました。
by いっぷく (2006-05-09 13:33) 

いっぷく

せっかくブログに来ていただいた時にはまだうっかり編集中でした。
半端な記事をお見せして申し訳無いです。教会の壁画の追加写真もありますのでよかったらまたいらしてください。ナイスありがとうございました。
by いっぷく (2006-05-10 12:20) 

去年の誕生日に万年筆を頂く機会があって・・・。
カタログで選んだ時に、ヴィスコンティ社のものもあり、
悩みました・・・が、結局イタリアのデルタ社のものにしました。
マサイ族をモチーフにしたものなんですが、
(↑まだ見ぬ土地に旅情をくすぐられて・・・)
やはり画像のような大きさの木箱に入ってイタリアから届いた時は
感激しました^^
価格はもう少し・・・というか大分控えめなんですけどね。
万年筆のある生活、自分では気に入ってます。

ヴィスコンティのその万年筆。
シックでステキですね。
キャップをおしりに差した時の姿も見てみたいです。
そのフォルムに各万年筆がこだわっているというのも
万年筆を使うようになってから知りました。
一緒にケースに入っているインクのボトルのデザインもステキです。
by (2006-05-10 23:41) 

plot

toraneko-toraさん、Ikesan、clos-du-meixさん、ゆうゆうききさん、いっぷくさん、Lahiriさん、みなさん、nice!ありがとう。

toraneko-toraさん、きっと上手くなりますよ。
イタリアは各地方毎にまるで違う国のようですね。フィレンツェにいらっしゃる時は。お声を掛けてください。

ゆうゆうききさん、【nice!】ってso-net blogだけの特徴のようですが、blogの輪が広がるし、コメントする時間が無い時も名刺代わりみたいに使えるし、貰うとけっこう嬉しいし、なかなか上手くできてますね。あ、この万年筆はもちろんものすごく字が綺麗に書けるはずです。ものすごく丁寧に書かないと元とれないし。

いっぷくさん、ものを作る人なので見方が違いますね。
イタリアの職人さんは仕事に誇りと情熱を持っている人が多いですね。

Lahiriさん、たくさんコメントとnice!ありがとう!
キャップをおしりに差して見たかったけれどお値段が頭にあって(最後にお値段を聞いたと書きましたが、ホントは最初に聞きました)傷つけちゃいけないと思って遠慮しました。
デルタもとても良い万年筆ですよね。
万年筆の世界はとっても広くて、時計ほど極端に貴族趣味的でもないし、コレクションには最適かも知れませんね。
でもこの頃、字書かないし。書かないと駄目になっちゃいそうだし。
デッサン用の万年筆を探せば良いのかな?
by plot (2006-05-11 05:56) 

zep

こういう品を見ると、数十年前日本でスーパーカーのブームがあったときに読んだ、ランボルギーニ社の職人魂を思い出します。カロッツェリアとかいうのでしたか?
by zep (2006-05-11 22:56) 

plot

zepさん、コメントとnice!ありがとう。
少し前、ランボルギーニ工場を見学する機会がありました。
フェッラーリとは対照的なオープンマインドな雰囲気で感動しました。
いつかこのblogでもご紹介します。

カロッツェリアの事、とても長ーくなりますが…

カロッツァcarrozzaは馬車、(電車の)客車、まれに自動車のボディ。
つまりカロッツェリアcarrozzeriaは馬車工房。自動車の時代にボディ工房へと変化したもの。
初期の自動車メーカーはエンジン付きのシャシーだけを作り、その上にカロッツェリアが馬車造りの技術でボディを架装していたわけです。
顧客(裕福な個人、時には自動車メーカー)の注文は、たとえば社交界の花形としての洗練されたリムジンや、自動車レース(上流階級のお遊びという面もあった)に勝てる高性能なスポーツカーでした。
その中から卓越したデザインセンスと、合理的な車体構造や空気力学の知識を合わせ持つピニンファリーナ、ツーリング、ザガート、ヴィニャーレなどのカロッツェリアが台頭し、デザインの美しさと先見性が世界中の注目を集める訳です。
イタリアの街道沿いで「カロッツェリア」の看板をたくさん見かけますが、こちらはボディ修理屋つまり板金工場のことです。
by plot (2006-05-12 06:58) 

zep

なるほど、詳しいご説明をいただき勉強になりました。授業ネタが増えました。自動車の話は結構授業でもやります。ヘンリー・フォードの名前も最近では入試で問われるようになりました。20世紀初めのアメリカにおける自動車の混雑状況の大きな教材用写真があるのですが、それを見ると当時アメリカではすべてが左ハンドルではないようですね。ランボルギーニの話、楽しみにしています。
by zep (2006-05-13 14:01) 

TaekoLovesParis

すてきな万年筆があるんですね~。
カロッツェリア話題、おもしろかったです。
by TaekoLovesParis (2006-06-06 21:52) 

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