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フィレンツェの「最後の晩餐」その3 [フレスコ画の世界]

初詣に行けなかった王子稲荷の代わりに巡礼している
フィレンツェの「最後の晩餐」の続きです。

フィレンツェの「最後の晩餐」その2
http://blog.so-net.ne.jp/firenze/2007-01-09
から続いています。

ちなみに その1は↓です。
http://blog.so-net.ne.jp/firenze/2006-10-11
この記事書いたのは10月?! 

時の流れの速さに驚いてないで先を急ぎます。

さて次に訪れたのはフィレンツェの南端、
ローマ門のすぐ内側のカルツァ修道院の「最後の晩餐」です。


ローマ門とその内側カルツァ広場。門を背にした写真。左が修道院。


右上の写真、中央の建物の壁画は
マリオ・ロモーリMario Romoli(1908-1978)という画家が1955年に描いたもの。

現在開店休業中のブログ↓参照。
http://plaza.rakuten.co.jp/firenze1/diary/200602100000/

でもこの壁画は「最後の晩餐」とは関係ないので先を急ぎます。
ちっとも急いでない? (^^:。


ここが入り口です。

入ってすぐ右の受け付けで
「チェナーコロ (最後の晩餐)ガ ミタイ」と
英語かイタリア語で告げて反応を見ます。
フランス語かドイツ語だってOKかも知れません。

なぜかと言うとこの修道院、宗教法人の多角経営なのか、
現在、ミーティング・センター(会議/研修場)兼ホテル兼レストラン兼各種式場みたいなことになっているのです↓
http://www.calza.it/it/index.htm

つまりこんな風になってる訳です。

(写真は上記ホームページより)
でも心配無用。受け付けの人はとても親切なので「最後の晩餐」のあるサロンが披露宴などでふさがっていなければ、快く見せてくれます。
というわけで決まった見学時間とかないし、予約も難しいかも知れません。
でもこの近くを訪れることがあったら、ものは試し、覗いて見てください。

フランチャビージョ(フランチェスコ・ディ・クリストファーノ)
Franciabigio;Francesco di Cristoforoという画家の描いた
壁画「最後の晩餐」です。

保存状態は良くありませんが、色彩の美しさは残っています。

「フランチャビージョ?」もし始めて聞く名前だったとしても当然です。
僕だってたまたま買った
L'ARCHITETTURA CIVILE IN TOSCANA-Il Cinquecento e il Sricento
という長〜い書名にも負けない分厚い本で、
この画家の名とこの「最後の晩餐」の存在を始めて知ったのですから。

フランチャビージョの代表作をさがしてみると、
それもフィレンツェにありました。

「マリアの婚礼」
Sposalizio di Maria
1513
affresco 395321cm
SS. Annunziata, Firenze
あ!この絵、確かに見たことあります。
でも画家の名は知りませんでした。
フランチャビージョさんごめんなさい。

「最後の晩餐」に話を戻します。

左側。なぜか和やかにみえるのは食卓の上が賑やかなせい?
アンドレアの「最後の晩餐」のテーブルと比べてみてください。

中央。テーブルの手前、ユダの椅子が倒れかかっている。
そのユダも含め世間話に興じているような穏やかな雰囲気。

少し頼りなげなイエスと例によってしなだれかかるヨハネ。
(アンドレアのヨハネは口をとがらせて叫んでいたけれど)

Cenacolo(l'Ultima Cena) della Calza 1514
Franciabigio (Francesco di Cristoforo) 1482-1525
affresco
Convitto della Calza(Convento e chiesa di San Giusto della Calza)
Piazza della Calza 6, Firenze

Convento della Calza

(参考)
こちらアンドレア・デル・サルトの食卓

これはアンドレア・デル・サルト描くヨハネ(右端)

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コメント 19

ぱふ

ほんとだ、どことなーくのんびりした食事風景ですね。
長いテーブルに座っていると、あちこちで違った話題が
盛り上がってしまうものだけど、そんな感じにも見えます。
披露宴会場にはちょうどいいかも。。。
by ぱふ (2007-01-30 10:46) 

フィレンツェの「最後の晩餐」は、優雅な絵ですね。
色が鮮やか。
by (2007-01-30 12:19) 

一面壁のアンドレアよりも
背景に開いた窓があって ちらっとみえる外は 良いお天気?なところが
開放的で のどかだなぁ という印象です
by (2007-01-30 13:22) 

ぴい

古い時代の絵と新しい時代の(?)テーブルと床(も?)が
なんだか不思議な空間を醸し出してますね。
ずっと前一度だけイタリア行った時フィレンツェで最後の晩餐
見たのですが、それがどこだか全然思い出せません....(^^;
せっかくの機会なので調査してみます!
by ぴい (2007-01-30 21:58) 

TaekoLovesParis

ここを読みながら、洋一さんの「不在の晩餐」はどのように展開して
いくんだろう、と考えていました。
by TaekoLovesParis (2007-01-31 01:33) 

toraneko-tora

古いフレスコ画をみると、何故かオゴソカな気持ちに・・・・題材もそんなものが多いからかも解りませんが、普通の絵と、なんか違うような・・・・
by toraneko-tora (2007-01-31 09:34) 

chi-ran

ヨハネが ほんとはマグダラのマリアだったら・・とまた思い出せて
ドキドキできました^^ 最後であろうと イエスさんは穏やかな表情で
その様子にも何か感じるものがあります~。。 
描き手によって語りたい空気 違うのですね~
by chi-ran (2007-01-31 21:00) 

SOLE

最後の晩餐を題材にした絵がこんなにたくさんあるとは!
__〆(-公-)フムフム メモして周ってみたいです。
私は「受胎告知」の絵も好きなので、美術館で見つけると
食い入るように見てしまいます(笑)
by SOLE (2007-02-01 06:52) 

さねさし

フィレンツェは景色もさることながら 素晴らしい芸術の街なんですね 何も知らなくて フレスコ画についても 全く知らなかったのですが 日本の左官の技術も含まれるとか また千年も維持されるとか 素晴らしい芸術の世界なんですね お稽古に行っているところが左官組合の会議室を借りておりまして 時々作品が飾ってあります レベルがまったく違いますが 
最後の晩餐 も作者 作品が いろいろあることを知りました 椅子の倒れそうなところ テーブルかけの長さも違ったり 下から見える足や衣装なども面白いのではないかと思いました 
by さねさし (2007-02-01 10:52) 

nicolas

オモシロイ!本当ですね、ユダさえも談笑してるように見えてしまいます!
描き手によってもこんなに、雰囲気変えてしまうものなんですね。
一つ一つのモチーフの表しかたというか、小道具の選び方も
結構全体のイメージ緩めるか締めるのか、変わって来ますねー。
そういうにも、描いてる人の「人となり」が出てるんでしょうか。
「生み出すもの」って、やっぱりその人自体なのかなぁ。
plotさん、「巡礼」って言葉、いいですね~まだ続きが?
by nicolas (2007-02-02 19:28) 

いろんな方のブログを拝見させていただいて、
これまで、まったく興味のなかったことに対しても、
新鮮な発見や、驚きなどがあり、
これまで、もったいないことしてきたなぁ、なんて思ったり。
plotさんのところには、そういうものがたくさんあります!
by (2007-02-03 21:37) 

ツカ

今回の晩餐のユダは、椅子が倒れかかっているん
ですね~!
描き手によってユダの表現が違って楽しいですね~♪^^
by ツカ (2007-02-04 01:21) 

Bijoux

チェナーコロ、チェナーコロ。。。
イタリアに行く時まで覚えておかなくちゃ!(笑)
by Bijoux (2007-02-04 09:41) 

お散歩爺

ローマで二種類の最後の晩餐の絵を見てきましたが、この二つだったのかな? 写真とってないので・・・・でもこの二枚だったと思うんですが?
by お散歩爺 (2007-02-04 17:17) 

sasasa

確かに、和やかに見えますよね・・・(^_^;)
by sasasa (2007-02-04 20:47) 

このミーティングルーム、おもしろいですね。
今度提案してみます。
ウィーンからのご友人の御来訪、いかがでした?
by (2007-02-05 00:02) 

シェリー

最後の晩餐。こんなに雰囲気や色調に違いがあるのですね。
ミラノの最後の晩餐しか知らなかった私にとって
(しかもダヴィンチコードから・・・汗)
こんな広がりを知ることができてとても嬉しいです。
続きも楽しみにしています~
by シェリー (2007-02-07 12:54) 

Nicoli♪

本が届きました。ババレーゼで応募予定です。
あともうひとつ、既にレシピを参考につくったもので
初めての味でとっても美味だったものがあります。
ここでは未だ内緒でーす。
by Nicoli♪ (2007-02-10 11:10) 

ミカチ

ミラノのチェナコロも、もともとは食堂にあったと聞いたことがありますが、
この絵は食堂に描かれることが多いんでしょうか?
by ミカチ (2007-02-16 03:01) 

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