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不在の晩餐 その3 [アトリエから]

あまりお見せできる状態でも無いのですが、フィレンツェでの制作は今日で終了。
ここまでの制作過程をご紹介します。


モデリングを進めています。2/21


表情もだいぶ変化してきました。


後の二人、表情が変ったというかキャスティングの変更?


左手前の女性の椅子を描き加えます。一本足のスツール。2/22


右端の空間に街並を描き始めます。2/24


その他の椅子(サボナローラの椅子の現代版のつもり)とグラスを追加。
(色調が違うのは室内撮影のため)2/25


間違い探し(?)。壁にナポリ黄を塗り、猫と右の空に下塗り。


で、問題は中央のグラス。
「ダヴィンチ・コード」の聖杯=マグラダのマリアの子宮説(?)解釈も可能な…という意図なのですが※、メイコにはえらく不評。ま、言われてみれば確かにちょっと恥ずかしいかも(^^:。

※ この絵には多義的な解釈が可能であること…という制作意図があります。
「多義的解釈が可能」というのはマニエリズモ絵画の特徴でもあります。「ルネサンス〜バロックという偉大な巨匠達の時代の狭間に咲いたあだ花」と見なされてきたマニエリズモ=マニエリス厶=マンネリズム絵画が20世紀後半に見直された最大の理由は「絵画のための絵画」=絵画が注文主の期待によってではなく、画家自身の興味=極私的動機によって描かれた初めての時代と理解されたからです。
そして現在もまた、20世紀前半のピカソ、マティスら最後の巨匠達の宴の後の空白の時代と言う事も出来ます。まあこんなことを絵描き自身が言ってしまったら身もふたもないのかも知れませんが。
でもとにかく僕は現代は新しいマニエリズモの時代と思っていますし、僕自身、マニエリストであると自覚しています。だから「多義的」が自分にとってのキーワードの一つなのです。


というわけで早速修正。グラスを右に移動。  移動完了。2/26


で、ここまでで時間切れ。


たたんでスーツケースに。
明日はフィレンツェ空港から一時帰国。
4月の展覧会(後ほど宣伝致します)の搬入まで2週間ほど。
なんとか完成できる…かな?

【ありがとう】
いつも素敵なコメントをありがとうございます。
お返事、滞ってます。皆様のblogへのご訪問もご無沙汰しています。
一時帰国中に、お返事特集第2弾up予定(?)&改めてご訪問致しますのでよろしく。

【お知らせ】
「トスカーナからミルクの贈りもの」出版記念 料理教室
募集締め切りました。ありがとうございました。

「みるこん」ノミネート作品です。

作品No.1 にこちゃん「ヨーグルト入りフォカッチャ」
http://blog.so-net.ne.jp/nicolasgarden/2006-12-12

作品No.2 パフさん「牡蠣のみそチャウダー」
http://blog.so-net.ne.jp/go_go_kumachan/2006-12-24

作品No.3 himikaさん「超カンタン!アイスクリーム」
http://ameblo.jp/himika44/entry-10022720697.html
himikaさんのブログ「ねこぢえ」は
http://blog.so-net.ne.jp/himika/

作品No.4 パフさん「サーモン・クリームでパスタ」
http://blog.so-net.ne.jp/go_go_kumachan/2007-01-21

作品No.5 にこちゃん「ミルクブレッド」
http://blog.so-net.ne.jp/nicolasgarden/2007-02-09-1

作品No.6 旅爺さん「イタリアンカプリチョーザ」
http://blog.so-net.ne.jp/tabijiisan/2007-02-20

締め切り2007年3月31日。過去記事もOK。
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nice! 28

コメント 15

完成すると構図がよくわかります。
すごい絵ですね。製作過程もわかり感動物。
by (2007-02-28 13:15) 

暇なフォトグラファー

凄いですね~絵画的な事は全くわから無いのですが、圧倒されます
by 暇なフォトグラファー (2007-02-28 14:08) 

小野寺榮一

スーツケースに入っているのが、何か不思議です。
4月が楽しみです。^^
by 小野寺榮一 (2007-02-28 14:33) 

ぱふ

私も、グラスの位置は修正後のほうがいいと思いまーす!
背景に街並みが描かれるのですね。まるで違った印象になるでしょうね。
by ぱふ (2007-02-28 19:01) 

yk2

>メイコにはえらく不評。

・・・でしょうね(爆笑)。

でも「ダヴィンチ・コード」の聖杯=マグラダのマリアの子宮説に結びつけたい洋一さんの気持ちもよーく解ります(^^;。ダン・ブラウンなら、女性の下半身がそれこそMの文字に見えるだろう!とか云うんでしょうから。

でもそれなら2つの聖杯は重なっていた方が暗示的なのでは?・・・などとまた混ぜ返しちゃったりして(笑)。
by yk2 (2007-03-01 00:23) 

TaekoLovesParis

1本足スツールを描き加えてもらった女性、「美しき諍い女」という映画の
エマニュエル・ベアールに感じが似ている気がします。その映画でベアールが画家のモデルを勤めているからかもしれませんが。
by TaekoLovesParis (2007-03-01 01:03) 

お散歩爺

少しでも変えるとイメージが違ってきますね。
帰国後の最後の仕上げを頑張って完成させてくださいね。
by お散歩爺 (2007-03-01 10:17) 

c-d-m

アペリティフのテーブルに既にメインの赤ワインが現れましたね。
アクセントですか?
主賓の到着に待ちきれず、不在の晩餐なので既にスタートしていたのでしょうか。
続きが気になります♪
by c-d-m (2007-03-01 13:52) 

柴犬陸

「多義的」という言葉は深いですよね。
やっぱり、いろんな風に解釈できることが、観る側にも楽しいですし。
by 柴犬陸 (2007-03-01 19:06) 

manbou

グラスがずれていても、じゅうぶん意識させられます。
むしろ、あまりアカラサマじゃないほうが、多義的な解釈が可能ですね。
4月がたのしみです。
仕上げ頑張ってください☆
by manbou (2007-03-01 20:04) 

kom

「たたんでスーツケースに」
見逃すところでした。
これは不思議な光景です。スーツケースで持って運べるのですね・・。
by kom (2007-03-01 22:45) 

おお~折り畳み式なのですね すごい☆
でも 折り皺とかつかないのでしょうか
椅子のない絵を見ていると 足に力が入ったのですが
椅子ができてよかった~ 
by (2007-03-02 11:07) 

nicolas

(*ノ・ω・)ノオオオオォォォォ そこで時間切れでしたか~
こうして制作過程見られる喜び♡
途中でちょっといじった内容知ってたりすると、楽しいですね。
色合いが、とってもオシャレです。
ピンク(赤)の分量効いてますね~
by nicolas (2007-03-02 17:11) 

ツカ

うぉ~!折り畳んで平気なんですか~!(笑)
そうやって持ち運ぶんですね~!!
なんだか、指を指している人の表情が福井さんに
少し似ているのは気のせい?(笑)
東洋人代表で入っているのもいいかも~♪
by ツカ (2007-03-05 01:18) 

ぴい

隠した方が恥ずかしいんですね(笑)
でも、そんな風に修正していくんだと言うのが、とても新鮮です。
by ぴい (2007-03-21 20:20) 

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